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2012年7月 5日 (木)

キネマ航空CEO FBW を勉強する、 PIO ってなあに?

蔵書書籍の充実がおざなりとなっていた キネマ航空 V.I.P.ラウンジ の《ブックシェルフ》にある「飛行機は、見目麗しく情もある」の分類を拡充いたします。そのため当ブログの文章は全文掲載から抄録に変更いたします。

・ 飛行機の飛行制御の実際 機械式からフライ・バイ・ワイヤへ 片柳 亮二 森北出版 2011

飛行機は安定性と操縦性のバランスで成立している。これらは動安定とか動特性と呼ばれる。具体的には飛行機に対して加わる外乱、たとえば突風、横風などの気象条件のほかにパイロットが行なう通常の操舵や脚の出し入れなどの操作などの人間の要素も含まれた機体の動作特性のことである。

飛行機の操舵はまず操縦席と操舵翼をつなぐなケーブルもしくはロッドやリンクの機械的なメカニズムから始まった。言わばフライ・バイ・ケーブルもしくはフライ・バイ・ロッド & リンクである。やがて飛行機の大型化、高速化に伴ない油圧によって人力を補助するサーボ・メカニズムがこれまでメカニズムに並列に導入された。

やがてケーブルやロッド & リンクがはずされ、操縦席とサーボ・メカニズムとのあいだにコンピュータが追加されて、それぞれを電線でつなぐことになった。

エンジンについても同じように変更が行なわれ、双方のコンピュータのあいだも電線でつながれて相互の連携が行なわれることになる。

これまで直接操縦席に伝えられていた機体に生じた反応は機体各所に配置されたセンサーで得られた情報となってこれも電線でコンピュータに伝えられることになる。いわゆるフィードバック回路から操縦席(パイロット)がはずされることになった。パイロットにはコンピュータで作られた擬似的な機体の反応が伝えられることになる。

これがフライ・バイ・ワイヤー (以下 FBW ) である。

すなわち飛行機は自立しておりパイロットは安定性と操縦性をバランスさせるソフトウェアを組み込んだコンピュータに初期値や修正値となる値(信号)の入力を行う仕事に変わった。そして操舵翼を動かす力仕事から開放された。

本書にはその FBW の長所と短所をていねいに説明している。これらを理解するには微分・偏微分の連立方程式、ラプラス変換、行列式、ブロック線図、周波数応答特性図などなどの高等数学の分野を多少とも承知しておく必要がある。

段々と深みにはまって行く傾向のある航空機ファンにとっては、これまでのような「苦は楽」というより「苦行」そのものになっていくことになる。

幸いなことに本書はそうした理論はほどほどにして18 機種以上の具体例を取り上げて開発の過程やその結果に生じた事故の背景が説明される。

FBW の弱点は PIO と呼ばれる現象である。(以下ラウンジの書棚へ)

おなじ書棚に収蔵しております「飛行機の安定性と操縦性 内藤 一郎 1984」と併読すると飛行機がより面白くなります。ご来訪をお待ちしています。

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