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2012年9月14日 (金)

【番外編】キネマ航空CEOのパジェット癌闘病記(1)人間ドックは当てにするな

オスプレイの記事にする予定でしたが10週間プラス1日の入院で資料が整理できなかったので個人的な記録として番外編を3回掲載します。とばして次々々回にご期待下さい

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または「平和主義者はガン戦争に勝てるか」・・・カンケイ?大いにアリですがそれはのちほど。

当CEOは二十数年人間ドックの検診を受け続けていました高脂血症と高めの尿酸値を指摘されたのみでガン・マーカー異常の診断がなされたことはありませんでした。

後でわかったことですが人間ドックの検査は臓器ガンのような大きさを伴ったガンの検査であって「腺ガン」などの細胞単位のガンの検査はなされていないというより簡易診断法がないと言うことのようです。

したがい、そこのあなた、そう人間ドックで異常のないあなた!、もガンになる十分条件はそなえておりますよ。ちなみに肺ガンも腺ガンの一種だそうです。

さて当CEOのガンはパジェット病と呼ばれる腺ガンであります。念のためベーチェット病とは違います。当CEOの場合は乳房外パジェット癌と称されアポクリン腺と関係し毛根から発症する皮膚病から始まります。清潔、不潔とは関係なく毛根のある正中線上に発症することが多いようです。

WEBで検索したところ皮膚に止まっているあいだは問題ないが皮膚層を越えると面倒な腺ガンとなるけれど初期の分別には細胞検診しかないようであります。・・・すなわち人体は七層にわたる皮膚層と皮下の脂肪層、筋肉、内臓などの組織となります。パジェット癌細胞が皮膚層を越えるとリンパ液にのり、フィルターに相当する患部の近くのセンチネル・リンパ節に滞留することなります。ここからリンパ腺、リンパ管、静脈をとおり体内に拡がるため腺ガンと呼ばれます。

このガン細胞が見つかるセンチネル・リンパ節の数がガン治療効果指標となる「五年後生存確率」として95%から5%に亘るそうです。ただしこのリンパ節が必ずパジェット癌細胞をブロックするかどうかについては定かではないようで、今のところこれを追跡していくしかないということです。

以上が手術前に説明された病状の要約です。ただ当CEOは真剣に説明するM先生には申し訳ないと思いながらも足して2で割れば50%で、統計上ではともかく交通事故など危険がいっぱいの先のことなど分からぬ個人としての生死については妥当な確率だな、と頭を掠めておりました。

この「五年後生存確率」はガンの治療効果の指標として零歳児でも百歳の高齢者でも同じだそうで幼い子供のガンについては胸が痛みますがある程度の年齢に達すると五年を区切りに、できればそれを繰り返して生きる可能性があれば、それはそれでそれほど悪いことではないように思えました。

ここから当CEOの発症から治療の中間サマリーとして記録してご参考まで。

今をさること五年まえ、下腹部へそ下の正中線上の陰毛上部に2X1cm大の赤い斑を見つけて皮膚科の開業医院を訪れ診断をうけました。そのときはセロファン・テープをカットして該部を押さえて、田虫などの寄生虫や菌類を探しているようでした。

結局よくわからぬとのことで強力なステロイド系の薬品を多用と他用の厳重注意とともに渡されて治療しました。このときには痒み痛みの自覚症状はまったくありませんでした。具体的な病名も告げられることなく特に悪化を自覚することもなく数ヵ月後に治療の中断を申し出て了承され、いったんはクローズとしました。

そして昨年の第四クォーターに中央部が突起し赤斑部も拡大していました。今年に入り同じ開業医で再診(初診料はとられます)を受けました。またセロテープが登場し同様の処方を受け翌週の診察では効果が認められず二週後に検査切除となります。一般的に開業医は週単位で患者をハンドリングしているようです。

さらに二週後検査結果で皮膚層を越えた腫瘍であったとの説明と検査媒体のプレパラートを同梱した宛HMUH形成外科某先生机下の紹介状をいただきました。そのときの珍問答「えっ?ベーチェット?」「BじゃなくてP。ぺージェット」「はあ・・・」。

結局紹介先で主治医となっていただいたM先生より「両方とも人の名前なので日本語読みでは紛らわしいけど、わかりやすくパジェット。外国では「病」としているが日本ではガンと呼んでいる」という説明で整理がつきました。

現役時代は「バジェット(予算)」で悩まされていたのにリタイヤして「パジェット」で悩まされるとは、とあらぬことを考える当CEOではありました。(閑話休題)

さてその紹介状は、それを持っていく当CEO自身の症状ではありますが宛先明記で封印されており親書扱いとして内容確認をしませんでしたがあとでM先生を悩ますことになります。それは追々と。

ではM先生の処置手順に移ります。

まず、血液採取からはじまりX線写真、CT、PETで画像情報の収集が始まります。つぎに赤斑部の周囲から10mmと20mm離れた二つの長円の円周上から直径4mm程度の皮膚サンプルを20数箇所切り出して病理検査を受けます。加えて泌尿器課で直腸、前立腺の診断を受けます。結果は幸いネガティヴでした。

手術室のスケジュールの空く2週間後に20mmラインに沿った皮膚の切除と当病院の基本術式(実施している病院は少ないらしい)である近接する(センチネル)リンパ節を左右計5箇所を摘出する処置を受けました。結果としてはこれがよかった。なお術式は患者である当CEOが承諾していることは言うまでもありません。

さて術後一週間、この手術の検査の結果を聞きました。切除した皮膚のほうは6時から11時の範囲に切片の近傍に転移細胞がいくつか認められる。その部分以外は10mmのラインで収まっている。それから数日遅れて右側のセンチネル・リンパ節の3個中の1個にも認められたと説明をうけました。ここで先ほどの五年後生存確率につながります。

さて、M先生の所見はまず患部は取りきれていると思われるが切片近傍に認められることから追加削除手術を薦める。ということで日程を含め当CEOも承諾しました。ところがそのあと先ほどのように右側リンパ節の一つに転移細胞が認められたことより術式、日程の変更が提案されました。

このあたり開業医で行った手術では皮膚層を越えた患部が切除されておりましたが紹介状には明確に書かれていなかったようです。その手術から約一ヵ月後にM先生の行った切除皮膚の状態と同時に念のためにおこなった近傍リンパ節のなかでの転移細胞の発見はM先生も戸惑われたようです。

ともあれ追加されるのは転移細胞が発見されたリンパ節につながる2系統のリンパ節の郭清をおこなう術式です。まず皮膚に近い側は形成外科、骨盤深く大腸近傍については上部消化器外科のS先生とのジョイント・オペレーションになるということで説明を受けました。なおリンパ節郭清とはリンパ管をたどって追跡するのではなくリンパ液の流れる脂肪層を一掃する手術となります。

このため手術の前に前者で一本、後者で二本の神経を切断したり腸管の回りを対象とするので内臓器、生殖器にかかわるリスクの説明を受けます。基本的に左右二本の系統の一方が生きておれば手術によるリスクは少ない。とはいえどちらか一方が既に機能していないかもしれないし、キネマ航空CEOの人生も片肺の洋上飛行になります。このあたりは患者の決断になります。

さらに前者では心臓血管系のバイパス手術で切り取って移植に使う静脈を切断するが再縫合はしない。後者では腸管周囲の神経叢も一掃する。手術承諾においては当CEOは悩みましたが前者はやむを得ない。後者については郭清ではなく神経叢だけで機能しているかどうかも分からないがその部分には触れず調査目的としての脂肪層の切除をお願いしました。

ところでこの段階で手術日の確定まで一旦退院も可とのアドバイスがありましたが図々しい当CEOは両ドクターのタイミングの合うキャンセルもあるだろうと居座ることにしました。ただで居座らせるのもどうかと思われたのか、S先生の大腸ファイバー診断を受けることになりました。

歳相応の疲労部分があるようですが手術には問題ないとのこと。胃カメラ検診では「フガ、フガ」としかいえませんがこの検診ではドクターや看護師さんとの会話が成り立ちます。

かくしてジョイント・オペということになります。オペ全体の責任は入院医科の主治医が持つようですが当CEOは性懲りもなく先生にコマンディング・ドクターをお願いしますと念押ししておりました。対等の責任ほどもっともらしくかつ役にたたない日本の美風はありません。

とはいえ手術中は全身麻酔で行っておりだれがどうしたなどは何の記憶もありません。半身麻酔で受けた人の話では(もちろんM先生がではありませんが)とんでもないことをしゃべっているぞ、とのこと。このあたり当キネマ航空のフライト003で上映中の映画「M*A*S*H:移動米軍外科病院(Mobil Army Surgical Hospital>)のこと」を思い出します。

ちなみに麻酔科の先生(手術室の先生ではなく術前、術後のルーティン事項担当)によれば麻酔中は睡眠と気絶の境目を行ったり来たりしているようで夢を見ること(幽体離脱?)もありえるとのこと。

さて結果は皮膚、リンパ節ともに陰性であり五年後生存確率はグンと上がりました。ただし、関節付近の郭清手術では皮膚の再生と両下肢静脈の血栓とその肺への移動が残り当CEOはワルファリンを飲んで歳相応に苦闘中であります。オタクのあつかうフィギュァー・ドールには関節はあっても皮膚も血管もないからなー。オタクも歳をとると思い知るぞー。

で、「平和主義者はガン戦争に勝てるか」はどうなったかって?・・・それは次回に引っ張ります。

当CEOの入院中に平和について考えさせる二つのニュースがありました。そのひとつはNHKの全国ニュースで何の説明もなく(個人もしくは代表者名はないまま)某県某市の平和団体がオスプレイの配備反対の声明文を某県の副知事に手渡している映像を報道しておりました。

おそらく「NHKのお墨付きで全国区になった」と仲間内では自慢のタネとなるのでしょうが戦後リベラルの思想が外圧に晒されている時代に入った自覚はないのかなの疑問とともに少しオチョクッテ見たくなりました。

(続く)

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コメント

私は40歳を過ぎ、MRIは何度も検査してますが人間ドッグは、未経験。すべきですね?

智太郎様
御訪問ありがとうございます。

ご質問の人間ドックの件、受けられるのであれば受けたほうが良いと思います。

入院中見聞したのですが病名を特定できない症状は数多くあるようです。
(たとえば患者が訴える症状に相当する原因となる身体的、肉体的異常がない。あっても病名や治療法が確立していない等など)
病院で病名が分かっただけでも幸運と思ったほうがよさそうです。

したがいドックで検査される項目などの背景を知っておき、該当しない症状は自分で見つけて良いドクターのいる病院へ行く必要があるようです。

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