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2012年9月14日 (金)

【番外編】キネマ航空CEOのパジェット癌闘病記(2)軍事的に見たばあい

さて当CEOは入院中も「キネマ・エアラインズ」の営業活動に励み持参の十数枚の名刺をドクター、看護師の皆さんに配りまくりさらに補充しております。そのなかで主治医となっていただいたM先生が話をあわせてくださり、「最近は忙しくて見る機会もないが記憶にあるのは『プライベート・ライアン』だ」とのこと。

キネマ航空のご愛用者にはご承知のとおり当航空のフライト900で同作品をこき下ろし、便乗公開の「プライベート・ソルジャー」のほうを持ち上げており、こちらを強く勧めましたが一連の手術を通したあとの当CEOの感懐ではいささか後悔をしております。

というのはガンという敵は外部からの侵略か内部に起こった反乱かはともかくとして患者という国土(身体)の中でドクターがおこなう戦争にほかなりません。

前回のCEOの闘病記を戦史ふうに並べると、

・身体の統治者たる当CEO、異常らしき状況の偵察を独立守備隊(開業医)に命ず

・独立守備隊より偵察結果は変化は認めるも大事にあらずステロイドによる対抗措置でおこなうと報告される

・数ヶ月間、状況の改善はさして認められず中断。守備隊は撤退

それから約五年後に該中心部の異常を確認する

・独立守備隊は前回と同様の調査および対抗活動をするが状況に変化なし

・独立守備隊は新規編成の偵察行動として敵中央部陣地を制圧(摘出手術)。二週間後に敵の正体をパジェット軍と確認。当CEOが状況を後方の統合参謀本部(HMUH)に報告書の伝達を指示される。ここで当CEOは伝令兼情報源となります。

・情報源の当CEOは統合参謀本部指揮下の形成外科連隊でX線、CT、PET(これは保険外)のリモート・センシングで内部状況の画像撮影を受ける

 注)形成外科はこじんまりとしていますが速やかな展開ができる連隊(レジメント)といえそうです(個人的な感想です)

・同連隊は続いて敵展開地域周辺の散開状況を確認する将校斥候を送り情報分析部門による解析をおこなう

・斥候報告の分析と偵察写真に基づいて包囲区域を設定し掃討を実施する

・あわせて内部への侵略経路となる道路(リンパ管)、道路にそって点在する近在の村落(センチネル・リンパ節)で追撃戦を兼ねた偵察の実施

・作戦結果の評価として掃討範囲に若干不足の可能性と村落の一つには侵略された痕跡を認む

・作戦評価にそってさらなる敵の潜むと思われるジャングル(リンパ網を含む脂肪層)の空爆による殲滅(郭清)作戦の立案。

・これに伴うコラテラル・ダメージ(予想される損害、神経や血管の切断、血栓、皮膚の再生時間エトセトラ)の範囲をふくむ作戦(ジョイント・オペレーション)計画の立案とCEOによる修正提案

・ジョイント作戦実施後の戦果確認では、追加掃討地域や殲滅地域に敵の存在は確認できない。したがい当面の二回にわたる作戦は成功が確認された

・コラテラル・ダメージは当CEOの承諾した予測通りに進行中

以上を短絡すると第二段階作戦は実施しないほうがよかったともいわれることもあります。まあよく言われる「ガンは切らずに治せる」という俗説は50%は正しいとなります。

良いドクターは手術の腕もさることながら説明責任のあり方にもかかっているともいえそうです。ともあれ作戦の修正や開始の承認は身体組織の首相なり大統領である患者が行う事項であり、各ドクターの説明を聞いて(当CEOはやりませんでしたがセカンド・オピニオンを含めて)患者がそのフィフティ・フィフティの決断をすることになります。

以前当ブログでも書きましたようにフランスの箴言である「後悔しないことが知恵の始まりである」を実感する機会となりました。

さて、今後の当CEOの身体におけるパジェット軍の行動はリンパ村を押さえながら前進するのか、あるいは米軍が太平洋戦線で見せた蛙飛び作戦のようにリンパ島を跳び跳びに侵攻するのかは定かではないままに、まだゲリラとしてリンパのジャングルに潜伏している可能性や当CEOの体質として再侵略か再蜂起がおこる防衛上、治安上の危険地帯が存在する可能性が残されています。

したがい、今後の作戦は次のようになると思われます。

・潜伏ゲリラを特殊部隊であぶり出す(抗ガン剤やラジオ・アイソトープ等の投与など)

・ゲリラ組織が顕在化すると高分解画像(MRI)による攻撃点の特定。無人攻撃機によるTV爆弾(放射線照射)などの高度技術兵器の駆使した大規模兵力の投入まで進む可能性があります

注)あくまで個人的な感触ですが放射線医療は高度な技術に最も予算が投入される羽振りのよい軍団に見えます。

なお、保険治療には入らぬ一桁二桁高額の治療費で行われる陽子線照射で短期間でできる治療法もあるようですがまあ当CEOが受けることはありませんね。

どうです!?

ガン治療行為は米軍がおこなう現代戦の基本とまったく同じではありませんか?ただこの作戦行動の詰めでは第二次大戦以降のゲリラ戦においては常に成功しているとはいいがたいのが気にはなります。

で、平和主義者(どうも反米意識が根底にあるような気がします)がガンに罹患した場合、こうした作戦を自分の体内に受け入れて正常な組織の一部や神経系の切断など、つまりは無辜の市民を巻き込んだコラテラル・ダメージにさらすことができるのかどうか聞いてみたいものであります。

まあ、平和主義者はこのような人体と社会といったアナロジー(類似性)自体をハナから認めないではありましょうが・・・理由は「人間の命は地球より重い。しかし人間を構成する細胞の方は軽い」がその根拠になるのですかね。

ただ、最後の二段階になるとこれまでの(白兵戦でおこなう)医療のイメージとは異なり最先端医療ではありますが療治と呼ぶほうが正しいようです。特に放射線科のドクターは常にリハビリテーション・チームと行動するダメージ・コントローラー(損害調整官)のようで、回診の後尾に連なる若いドクター連(装置の操作担当のテクニシャン?)のようすが「宇宙戦艦ヤマト」の波動砲のオペレーターのように見えてくるのは事実であります。

このステージでは発生したガンの部位にもよりますが平和主義者が唱えている戦争否定とのアナロジーでつながるターミナル・ケア(終末医療:平和主義者としては早期発見ガンの段階からか行うつもりかも知れない)との兼ね合いの決断も必要にはなりそうです。

結論としてガン戦争におけるドクターの職責はまさしく「プライベート・ライアン」の世界であります。このような戦場のなかに身をおくM先生に「プライベート・ソルジャー」を薦めたのはいささか申し訳なかったかな、と反省しております。

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