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2013年5月22日 (水)

キネマ航空CEO 日本には「メリーさんの羊」はいるが「スーザンさんの犬」はいない、ついて考える

当キネマ航空CEOは009-2便においてみっともない間違いをしてしまいました。そこでグーグルで(よく似た)「メリーさんの羊」と「スーザンさんの犬」(似てないか・・・)を日本語で検索してみたところ後者はヒットしませんでした。Webに絡まっている日本の航空マニアはこういった話題にはあまり興味がないようです。

 さて、このワンちゃんは1988年の8月にNASAが開いた会議のパネルディスカッションで報告された「フライトデッキの自動化:期待と現実」 の前置きに出てきます。前置きを書いたワークショップの議長さんがスーザン D. ノーマンさんでした。ちょっと長いけどその部分を訳してみました。

なお全文は220ページの論文で、自動化でツー・メン・コクピットになった機体を中心に、設計、機体の認証、乗務員の訓練や運行状況、航空管制との関係、などを多岐にわたった分析がまとめられています。

ここで気になったのは日本が輸出する新幹線や原子炉といった巨大システムにこうした哲学の記録が国によってまとめられているのか、表面だけの技術立国になっているのではないのか・・・という漠然とした不安がでてきます。なーに、安全や事故の責任は企業にあって、断じて国にはなぁーい!!・・・のだから、これでいいのだ ! って?・・・

それはさておき・・・

------------------------前置き 座長 スーザン D. ノーマン-------------------
このワークショップの構成と内容を進めるにあたって輸送用の分野の航空機の設計、認証の基準、運用と訓練の手順にかなりの注意と時間が使われ航空およびヒューマン・ファクターの専門家による広範囲の議論がNASAのエームズおよびラングレー、そしてヒューマン・ファクターに関してATAのタスクフォースが加わった様々なグループ・ミーティングが行われました。座長は、これらの人々とワークショップの技術的な内容と構成に関係する彼らとのディスカッションに非常にお世話になっています。(訳注 ATA Air Transport Association of America アメリカ航空運輸協会

これらのディスカッションの中で明確になったコックピットの自動化の一つの重要な側面は、航空機の設計、訓練、運行および認証のプロセスで増えていく服雑な相互作用です。これらのプロセスに与える影響を明確に理解することが必要とされる新しいテクノロジーの複雑さは運行状況においてお互いに影響をしあっています。これは特に重要です。なぜなら、制約された時間の状況の中で、自動化システムはしばしばそれらに携わる人間の相手として対応できるほど柔軟でもないし、普通ではない状況にいる人間と同じように効果的に機能することが普通にできるほどに設計されているわけでもありませんでした。

これを心にとめて、このテーマのパネルとワーキング・グループは自動化されたコックピットのシステムとしての側面を学際的に探究するように構成されました。このワークショップはプロセスの一要素がどのようにもう一つのプロセスに影響を与えるかの隠された意味を理解するユニークな機会でした。たとえば、ある設計思想や哲学を実際に搭載した場合に運行手順やATCとのやり取りにどのような影響を与える可能性があるか、などです。

最初のディスカッションではパイロットやクルーの役割がキイ・ファクターであることは明白でした。それ(パイロットやクルーの役割・・・訳者挿入)は変わっていたのか?もし変わったのならどのように?何らかの変化は適切な一つの方向に動いていたのか?パイロットの新しい役割の可能性についてのヒューモラスな誇張として、(このワークショップの・・・訳者挿入)参加者は知っているかもしれないけれど、21世紀の航空輸送を担うクルーは何に似て見えるだろうか?という疑問があります。その答えは、そのクルーは二つの要素から構成されるということです。すなわち一人のパイロットと一匹の犬。そのパイロットは犬に餌をやり世話をする責任があります。そしてその犬は、そのパイロットが、もし何かに触ろうとしたら彼に噛みつくためにそこにいます

確かに現実をあらわしているのではないけれども、このジョークは将来の飛行機の中で運航乗務員が行う潜在的な役割についての核心に連れ戻してくれます。このワークショップに提示された未回答の疑問のなかで、クルーの役割に関する疑問が最も難しい疑問でした。クルーの役割のなかで変化するための可能性に根拠のある懸念はあるのか?もしあるなら、これはこの(訳者挿入 航空)業界全体が向かう望ましい方向の一つなのか?

最後に、現実に認識されている問題と利点を明確にする必要から、このワークショップは運行上の現実に焦点を当てることを意図しています。自動化の哲学を含むコックピットの自動化の理論的な側面について、かなりの議論が行われましたけれども、このワークショップでは本質的な理論に基づくことを意図してはいませんでした。あらゆる変化すなわち、将来を研究するプログラムや哲学が開発される前に、すでに存在する状況を評価することが重要です。将来に向っての展望は重要です。しかし、現在の状況についての厳密な(批判的な)理解によってあらゆる将来についての議論の基礎をかたち作らなければなりません。
-----------------------------------前置き終-----------------------------

ここでは「犬」は人間以上の知能と経験をつんだソフトウェアがインストールされたコンピュータです。つまりは極限まで自動化された航空機はデータを入力した後に人間が手をだして操縦する必要はない。そうしないよう機械が人間を監視するということです。

スタンリー・キュブリックの「2001年宇宙の旅 "2001: a space odessey"(1968)」では、人間とは、文明とは、の問いかけのなかで人工知能の HAL9000 がその姿を垣間見せていました。

しかし、極限の飛行機ができるのはまだまだ先であり、工業製品なら常にかかえている確率の問題はなくならない。「たまに怠けたり反抗したりする犬」と人間の間に緊張を保った関係を構築する自動化システムの開発を進める重要さが示された初期の論文です。
Flight Deck Automation: Promises and Realities(テキスト形式ですがPDFファイルにもリンクあり)

なお、何事にもアメリカに対抗しようとするフランス(エアバス)は、「犬」は見張るだけではなく、暇になって緊張の緩むパイロットにちょっかいを仕掛けてくるシステムを研究しているそうです。よくわかりませんが自動車の居眠り防止装置みたいなもんですかね。

フレンチ・プードルのロボットが「きゃん、きゃん」とコクピットを走り回るとか・・・

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