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2014年2月22日 (土)

キネマ航空CEO 『オスプレイってどんなヘリコプター?』 について考える。

前回予告したオスプレイのオートローテーションについての日米政府機関の見解内容について比較解析してみようと思ったのだが、ミッシングリングとなっている資料が見つかるか、妥当な推定ができるまで延期といたします。

訂正:(2014/03/05)

ベル206 ジェットスターのローター・ヘッドの写真の解説で 『ラギング・ヒンジがある』 と記しましたが、『ラギング・ヒンジらしきものは見える』 と変更します。

写真で見えているのは単なる固定装置かもしれません。しかし、ローター・グリップとは別部品のようであり内部の構造によってはラギングの効果は出せるかもしれません。

一般にシーソー型と呼ばれるツー・ブレードのヘリコのローター・ヘッドには明確なラギング・ヒンジのない機体が多いようです。

例:ロビンソンRシリーズベル206シリーズ等。
4ブレードの川崎 BK117メッサーシュミット・ベルコウ・ブルーム Bo105 )はベル モデル 47 と同じくジンバルを使ったシーソー・タイプに分類できます。

ベル モデル 47 を除き、いずれも構造的には、ローター・ブレードを固定するための主ボルトと回り止めの副ボルトの2本でローター・グリップに取り付けられています。

主ボルトを回転可能な軸受となるブッシュ、副ボルトの周囲は弾性体でできたブッシュを介して(逆でも可)ローターをグリップに取り付けられておればある程度のラギングの効果はだせるはずですが・・・

ラギングを完全に殺している(完全無関節)のかどうか、詳細な構造をご教示いただければ幸いです。

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2017/01/01 末尾に関連記事を追記しました。

つい先ごろの記事で、ヘリコの技術的な発達過程を固定翼機と比較しながら振り返ってみた。

先駆者がまず取り組んだのは、エンジンを機体に固定した場合のトルク反力の処理法であり、力学、工学による解は比較的簡単であった。

しかし、機体の安定と制御という操縦においてはローター・ヘッドのメカニズムの開発と発展にほかならない。

ではオスプレイのローター・ヘッドはというと航空雑誌などの出版物では部分的に図解されているが明確ではない。WEBで探していたところ次のサイトが見つかった。

V-22 Osprey Instructional Systems Demo

出所は L3 コミュニケーションズ。 ロッキード・マーチンの子会社であり1997年の設立。米国の Top 10 にはいる軍需産業。http://www.l-3training.com からも入れるが上記はYouTubeへリンク。

2分59秒のビデオクリップだが、1分21秒から1分31秒の10秒間にローターヘッド作動状態のアニメーションがある。以下はそのキャプチャー画像。

L3_1
L3_2
L3_3
L3_4

L3_5

これらが技術的に正確な動作を表現しているかどうかはわからないが、最初は『Proprotor System』のオープニング。

(このページではブログ付属の機能で、すべての画像上の左クリックによって拡大ポップアップの利用が可能です。)

続く二枚はコレクティブ・ピッチの動作(サイクリック・ピッチも同様)。最後の二枚はフラッピングの動作。

黄色い部分が駆動シャフトといっしょに回転してローターハブのストッパー(制止)、クランパー(固定)、ダンパー(制振)といった機能を持つようだ。静止画では分かりずらいがここではハブが傾いています。

実物はというと、USマリーンズの広報サイトから

Osprey_rotor_head

ローターへッドを取り外す組写真のなかの一枚です。フェザーリング・ヒンジが丸見えです。

アニメーションでは説明されていない紡錘状のウエイトを取り付けたアームも見えます。

ローターヘッドの写真は『SuperStock osprey rotor head』で画像検索するとかなりの枚数を閲覧できますが大画像は有料です。余裕のある方はどうぞ!

さて、アニメーション映像からすると、フラッピング・ヒンジはシーソータイプのようです。

そして、古い飛行機ファンはここで膝をポンと打たれるはず。

オスプレイの開発はベル社で始まりベル=ボーイングの合弁となりました。そのベル社の礎(いしずえ)の技術が モデル47 に搭載されたシーソータイプのフラッピング・ヒンジでした。

Bell_model_47_lower_view Ab47groto_rhead

Agustabell_ab206b_jetranger_iii_rot

左が懐かしの ベル・モデル47G 。左クリックで拡大できます。ブレードに直角なアームと先端のウエイトはスタビライザー(実際に飛べるおもちゃのヘリコにもありますね)。
ただし、オスプレイの類似した部品は後に述べるダイナミック・ダンパーのようだ。

中央はシーソー型ローターヘッドの拡大。ローターのブレード方向に傾くテータリング・ヒンジとその直角方向に動くロッキング・ヒンジが見える。

つまり、機体はローターの回転面にぶら下がって360°自由に動ける。これをシーソーと呼んでいいのか?横にゆらして叱られていたブランコじゃないか!このような機構をジンバルと呼ぶようだ。(閑話休題)

いっぱいくっついている簪(かんざし)は制振用のダイナミック・バランス兼ダンパー・ウエイト。何よりブレードが木製であることが懐かしい。ラギング・ヒンジはない。

右はずっと後の アグスタ = ベル206B の同じ部分。スタビライザーはなくフラッピングはテータリング・ヒンジのみの本当のシーソー・タイプ。

かんざしはないがラギング・ヒンジらしきものは見える。加えて(エンジンを含む駆動系のアイソレーション(隔離)技術などの)最新の制振技術が採用されているはずである。

ベル社の得意技術は創生期からリジッド・ローターの一種に分類できる。こうした構造はロビンソンなどの小型ヘリコにも使われている。

結論として、

オスプレイは、テータリングとロッキングのできるリアル(たわみを期待しない)・リジッド・ローターヘッドを持つ、先祖返りをしたベル・ヘリコプターの仲間である、といえる。

-これは、二枚ブレードだと(テータリングのみの)シーソーにできる* が三枚ブレードのためロッキングも必要。だだ、ジョイント(もしくはジンバル)と呼ぶべき本当のヒンジの構造ははっきりしない。
* 二枚ブレードのベル 47 にロッキング・ヒンジがあるのはブレードに交差するスタビライザーの機能を活かすため-

先祖返りといっても、退化したという意味ではない。シーソー・タイプにも欠点はあるが、原理的には最新のリジッド(ヒンジレス)・ローターヘッドに近い性能を持っており、これをコンピューターで制御しているようだ。

フェザーリング・ヒンジを除くオスプレイのヒンジらしいヒンジはローターを折りたたむ個所にある。これは回転時にはフラッピング・ヒンジとして作用する方向に曲がる軸なのだがカフスの取り付け状態からは否(いな)としたほうがよさそうだ。

ラギング・ヒンジについては、あるとすればフェザーリング・ヒンジの外側のはずだがはっきりしない。作動角はそれほど大きくなくてもよいのでカフス内にあるのかもしれない。

ただ、固定翼機のプロペラの機能としてはラギング・ヒンジもフラッピング・ヒンジも不要である。

低速で飛ぶ場合のヘリコのラギング・ヒンジの機能はローターの性能上というより乗り心地の悪化とか駆動系や機体にダメージを与えるローター回転による振動を抑えるための機能、と思われる。

したがい、オスプレイがヘリコ・モードで運用する時間比率からはラギング・ヒンジはなくてもいいとも考えられる。

オスプレイとヘリコの最大の相違はローター・ブレードの剛性の差です。ヘリコはこの部品の柔剛性で成り立っている部分もあります。

これをコンピュータ制御で補(おぎな)えるのか、ひいては越えられるのか、については一般に手に入る資料からは分かりません。

ベル・モデル 47 の簪に見られるように機械的に制御する難しさを考えると、コンピューター制御で何でもできるとの論評に答えるには当CEO の手と頭に余るようです。

ただ、柔軟性のない二つのローターは均等に動作するにしても自然の大気が均等である保証はありません。

特にサイド・バイ・サイドのレイアウトで成功したヘリコは今のところない。いずれこの辺りを検証してみる予定です。 2017/01/01 これまでの関連した記事を以下を追記します。

http://kinema-airlines.cocolog-nifty.com/blog/2012/11/ceo2-3cb4.html

http://kinema-airlines.cocolog-nifty.com/blog/2012/10/ceo-2159.html

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補足、

1958年には後にボーイングの流れに入ることになるバートルもサイド・バイ・サイドツイン・ターボプロップ式ティルトウィングVTOL実験機 VZ-2 を何とか飛ばし、ベルはツインターボ・エンジンベクター・スラストVTOL機 X-14 を飛ばしていた。

外観はともに見られたものではなかったけど・・・ベル X-14 は実に24年間にわたりNASAのVTOL実験機のお役目を務め、その成果は月着陸船の開発に使われた。

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