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2014年7月30日 (水)

キネマ航空 011便拾遺 その2 『超音ジェット機』編・・・自動車の自動化について

2014/07/15 22:30 キネマ航空 011便 が就航いたしました
ご搭乗をお待ちしております

フライトプランは こちら

上映している『超音ジェット機』を執筆中の感慨です。

古い映画を観るとどこか、居心地の悪いずれを感じることがあります。これは視聴者自身がどう感じるかで、だれもがそうだ、と断定できるものでもありませんが・・・

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自動車では人間の制御するべき「走る・止まる・曲がる」の根幹機能にコンピュータが介入する飛行機に近づいていきます。

飛行機においてはコンピュータの制御範囲を越えて事故に到るとパイロット・ミスとされます。当然パイロットは十分に訓練されており、一般的には納得できます。(逆噴射機長なんてのもいましたが・・・これはまた別の問題)

しかし、オスプレイ・フリークの記事やコメントを読むと、某事故ではコンピュータの制御には問題なかった。したがい「パイロット・ミス」であり安全な機体である。といった変な論調も見受けられる。本来はパイロットを含めたシステムの問題としてとらえる問題のはず。

さて、コンピュータではないが自動車の安全技術で法律で義務化されたシート・ベルトがある。衝突時の身体的な損傷を1ランク、2ランクと下げる技術であるが、一方では以前は即死であったが脳死となって生きることもある。技術は数の比で量られている。

もちろんドライブ・コントロール・コンピュータによる自動制御技術で救われる例も多いだろう。

しかし、自動化されたとしてもすべてが安全になるわけではない。未だに涎ちゃん(©松本人志 )も運転できる。だって事前に止めるチェックさえできないんだもの。

普通の人だって何かあれば、
 『車を信じていたが機能が働かなかった。したがい欠陥車だ』、といい、
メーカーはご契約時に、
 『ご提供した機能には正常に作動できる範囲がありますと、ご説明しましたよね』、という。
そのことを覚えているドライバーは何人いるのか・・・

その前に!いや、後にか?、幸い軽度の事故で済んでも保険会社はこうした事故に対応できるのか・・・な。
まさか「自分で『欠陥車』を証明するのが決まりです」なんて言い出すのでは・・・。

「日本の民事訴訟では、原則として自己に有利な法律効果の発生を求める者は、その法条の要件事実について証明責任を負うと考えられている」・・・そーです。

法律ですから解釈が必要で、そのために双方に(最近は余剰、過剰らしい)弁護士のお仕事ができる。現実にアメリカでは自動車がらみの法廷闘争が頻発する。

いや、その前に刑事事件となった場合に日本の警察は、アメリカのNTSCのような調査を飛行機に比べればべらぼーな数の自動車事故に対応できる機関があるのか、これから作るのか。

ドライバーは考えられるすべての状況をパイロットの訓練ほどに経験しているわけでもない。しかし、安全運航、安全走行は飛行機と等価であろう。

高度なコンピュータ化には自動車でも、事故後の解析として飛行機にあるようなドライブ・データ・レコーダーやボイス・レコーダーの併設が必須であろうが、プライバシーの侵害としてフツーのドライバーからは拒否される・・・だろうね。

航空機のコックピット・マネージメントについては米国のNASAが航空機のシステムと人間の対応性(マン・マシン・システム)について学際的な研究と討論が行われているようだ。

当ブログでその先駆けとなった「フライトデッキの自動化:期待と現実 (1988)」の前文 『スーザンさんの犬』 の拙訳を載せているのでご参照ください。シンポジューム全文へのリンク(英文)もそのページにあります。

問題は、日本の航空機(ひいては自動車)の設計者も監督する官庁もアメリカの規格ないし基準をそのまま安全規格・基準として採用するだけで、研究の過程などの系統だった哲学の部分は(個人はともかくとして)組織内のエンジニアや官僚からは一顧だにされてない、というより無条件で受け入れているのでは、とも思える。

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さて、1970年だから4昔(むかし)半前に大阪万博が開かれた。このとき電気自動車が混雑する会場内を走った。

この電気自動車もかなり静かだった(らしい・・・混雑の嫌いな当CEOは行っていない)。
日本の技術者は考えた。車の存在を周囲に知らせるにはどうするか?ガソリン車のクラクションの転用では角が立つ。やはり人間の言葉が必要だ!

で、当時としては、画期的な、のか、あえてそうした、のか、少し間の抜けた合成音声で『じんるいのーしんぽとちょーわ』としゃべらせることにした。博覧会のテーマである「人類の進歩と調和 (Progress and Harmony for Mankind)」である。日本らしいクールな発想と思うのだけどね。

その進歩の先にある現在の技術では、もっとソフトな声が使えるのだが、実用化されたハイブリッド車(HV)や電気自動車(EV)には採用されなかった。

自動車の根幹機能に使えるセンサー技術ならモールの駐車場エリアで背後から音もなく迫ってくる車たちに脅えることもなかろうと思えるのだけど。

さらに進めば走行中になにか物体に接触した反応があったら『轢き逃げ、御免!』とか『当て逃げ、御免!』と声をだし、警察に出頭して解除されるまで繰り返ししゃべり続けさせることだってできる。

これなら、そんなことをしない限りドライバーの負担にはならないからプライバシーには関係なかろう。

もちろん、こんなケースには逆効果だ、と反論は山と出てくる。当CEOにだって出せる。ただ、多くの事故はドライバー自身のソフト・パワーでしか回避できない。そのための技術があるはずであるが。

とはいっても、再見した映画で感じた技術を信じることへの居心地の悪さは、リタイヤしてしまった技術者にはある意味では卑怯にも他人事として、今、当事者でなくてよかったとも思えてきます。

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それで『轢き逃げ、御免!』ボイスの装着車を輸出する場合は ”Sorry! Hit and Run” かな?Hit には『殺し』って意味もあるし・・・

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