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2015年3月25日 (水)

『心情リベラルの文明論を考える』 (地政学の巻)

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左は首都東京を中心とした半球、右は同じ海洋国家の首都ロンドンを中心とした半球。
この画像をあとで使います。

-------』の巻に併掲した「地政学」の巻を独立させて改稿の上、『文明』の巻に編入ました------

』に大きくかかわるのが、一見関係のなさそうな「地政学」という『』の分野である。また『文明』という言葉の通奏低音でもある。

リベラル派には、この「地政学」は鬼門となっていた時代があった記憶がある(当CEOは大衆向けの地政学の書評でそう感じた)。たぶんリベラルの『』にそぐわない問題が隠れているのだろう。

ただ先々回の『』の巻に掲載した「感情の一覧」にはない『無関心=無感(心)』は地政学では戦争でなくても人間の思考に深くかかわる感情である。

いっぽうでは為政者にとっては「地政学」の根底にある『遠交近攻』という言葉が有効につかえることにもなる。隣国にも同じ言葉(『』)があることは知識人(インテリゲンチャん。リベラルに多いそうだ)は『』で、無知蒙昧の輩(リベラル、コンサバの双方から思われているが同じ人ではなさそう)でも『』では感じることができる。

また『遠交近攻』は政治の延長の戦争だけでの『』ではない。中国は2015年中にアジア・インフラ投資銀行(Asian Infrastructure Investment Bank、A I I B)の業務を開始すると公表し出資国の募集を始めたがEUから英国が先頭を切り、つづいて独、仏、伊国が参加を表明した。当CEOの A I I B についての所見は こちら

日本は米国と並び慎重(批判的)で対中国、対ロシア・シフトの仲間と思っている G7 からの裏切りと見ているが「地政学」から見れば当然の戦略であろう。

EUからすれば遠くの中国の意図する市場のなかで経済メカニズムへの介入をはかり同時に米国、ロシアへのけん制も行える立場を選んだに過ぎない。少なくともEUの国民(市民)は参加については出資額を除けば遠くの経済戦争には無関心であろう。

米国からすれば「地政学」からはEUとさして変わりはない。むしろ参加してEUとの対中インテリジェンスを共有する方向を選ぶのではないかと考えられる。

早い話が先に述べたように現実に起こり得る対外国との関係では、国民の感情にもっとも迎合しやすいのは「遠交近攻」である。EUは西ヨーロッパでの『近攻』を避けようとする『』の産物だが、その外辺ではまさしく実践している。

文明』により国家が成立すると国民にとって最も怖いのは近隣国である。特に陸続きの国境を介した国においては海洋国とは比べられない脅威である(はずである。と書いたほうが無難かな)

そこで安全保障が『』として生まれるがそのための『』はいつかは破られる可能性を考え『』が不安をあおる。(歴史では多くの戦争や侵略は平和条約や不戦条約の締結後に起こっている)

政権をとれない(いや、とっても)リベラル・マインドの野党は「遠くの親戚より近くの他人」の『』を外交にまで敷延するのだが、相手もそうなのか ? の判断責任はかつての与党に押し付けたままである。一部のリベラルが「地政学」を嫌う理由が分かったような気がする。

さて、EUにとっては破綻したギリシャも中東も近いといえば近い。バルト三国にとってはEUに接近し、域内に入れるかどうか、それこそ命がけであろう。

おおかたの日本人にとっては遠い「ウクライナ」なんて理想論を言っておけばいいと考えるが政府はEU、アメリカに組している。(ポッポちゃん鳩山氏もあながち間違ってはいないが、いかんせん日本自体にそれだけの戦略を活かせる力がない)

冷戦時のアメリカは世界の警察として「遠攻近攻」を実行したがベトナム戦争では長引くうちに『何で「遠攻」しなけりゃいけないの』、という国民感情が生まれ、それ以降の「遠攻」はやってはみたものの、どこか腰が引けている。(ほかにも理由となる先例があるけどあとで)

日本の最周辺国(中韓)は「遠交近攻」のオーソドックスな戦略(オーストラリアはインドをはさんでまだ遠い、中国も北朝鮮を介していまは遠い)を展開している。

    (北極星から見た地球)
Photoいっぽうのロシアは『遠交』どころか、周囲がみんな『近攻』(をしたり、されたり)できる国になっちゃいました。

アメリカとは北極海とほとんどノーマンズ・ランドのカナダを介し、左はEU、右は日本がお隣さんで、中国には後ろを取られており、長い国境線をはさんだ「遠近」「交攻」を組みかえて前後左右に対する外交展開をするしかありません

これが行き詰まると核兵器をちらつかせるようです。手放せないわけですね。

ですから『遠交』できるのは南半球やアフリカの国しかありません。期待できるのは国連総会での支持だけですけど、拒否権をもっているからほどほどでいいわけです。でも、お金をつぎ込める中国がうらやましいところでしょう。

したがい、中国が行っているアメリカとの外交は対立めかした『遠交』の一環と見たほうがいい。つまり国連総会への「『近攻』する背景」の情報浸透ですね。(海洋国ではないつらさは中国も同じです)

中国にとっては拒否権は行使せず戦勝国として国連を『遠交』国の数を背景にそのまま維持するのがもっとものぞましい戦略となります。(反米発言は『』に触れる国が多いですからね)

アメリカの「遠攻」は北朝鮮の崩壊のしかた(つまり核兵器が韓中のどちらに行くか)では「援攻」となっていくと考えられる。韓国も日本よりはしたたかに「地政学」を考えている。

地政学」が人間の感情に大きな影響を及ぼしていることに納得いただけるだろうか?

日本は、いつの日かの見返りを期待して中東で「援攻」ができるようにしているが実施するのは「地政学」からはどうだろう。日本のリベラルはここでも『』と『』のバランスを考えるときが迫っている。

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地球を北極星から眺めると、太平洋の東岸とは違って(地震の多いところは同じだけど)西岸はアリューシャン、カムチャツキ、千島、日本、琉球、台湾、フィリッピン、マレー、ジャワ、スマトラ(あー、しんど)と多くの弧状列島や半島、群島が、ユーラシア大陸と国家帰属外の(つまり公海の)太洋とをへだてている。(海面下では領海に関係なく潜水艦が自由に動き回っており、大気圏の外に地表の国境や経済水域は関係ないけどね)

中国が軍事力をちらつかせてこれらの列島線に迫り、また列島線の外の海洋国(含むアフリカや南米)との『遠交』に奔(はし)るのも「地政学」で見れば納得できるはず。

ひるがえって日本はどうか、というと同じ海洋国でも英国とは「地政学」では大きく違うことも理解できる(でしょ ?)(冒頭の二枚の半球図を参照。中島「富嶽」で米首都を爆撃、なんて構想のアホらしさもわかります)

文明』を最大に行使できる国との間にある「ほど良い遠さ」と「遠すぎる遠さ」の差です。極東とはよく名づけたものです。

アメリカは第一次世界大戦のあと、大西洋をはさんだヨーロッパの戦争への不干渉政策であるモンロー主義をとっていた。当時と比べると飛行機の航続距離は格段に伸びたが、はるかに広い太平洋を介してではどうだろうか、の「地政学」の『』が残る。

チャールス・チャップリン・ヒンケルは『独裁者 “The Great Dictator” (1940)』のなかで風船地球儀をつついて飛ばしながら戦略を練っていました。(地球儀の地軸が傾かないのも理由あり ? )

しかし、ヒンケルを嫌うリベラルでも半球図ぐらいはテーブル上においてあらゆる角度から見るぐらいの余裕はいいんじゃないかなぁ。

この映画の初公開時の日米の反応も、ひとつではない『文明』を垣間見せてくれます。(閑話休題)

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