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2015年7月 5日 (日)

キネマ航空CEOの 「あんた、ヘリコのなんなのさ」 の巻 その 1

久しぶりに読み返すと、CH-47 チヌークのドライブ・トレーンから入ることになっていたのですが、すでに書いていたことをまとめるだけなので省略します。だいたいこんな図になるはずでした。Drive_shaft2また以前に予告していた救難用ヘリコに使われるローター直径15~20mクラスの準大型ヘリコとの比較も後回しとして、今回は現在運航されている大型ヘリコをベンチマークとして検証してみます。

さて、そのサイド・バイ・サイドオスプレイのライバルには現役として活動中の米のタンデム・ツインチヌークシングル・ロータースーパー・スタリオンの2機種。それにロシアン・シングルのヘイローの1機種としました。(表は左クリックでポップアップします)
H-53Eのローター回転速度の誤記を訂正しました。(2015.7.9)

Spec_of_super_helico
オスプレイを除きローターの直径が20mを越えています。チヌークの場合は合計面積からの直径換算で(1.4倍して)25.9mとなりクリアしています。

EUではローター径で20mを越える大型機はないので当CEOの独断と偏見でエントリーからはずしました。

オスプレイの等価径は16.4mなので準大型機となるこのクラスと同じなんですけどね。

主な寸法諸元は下記の図面から得ました。

・ ベル ボーイング V-22 オスプレイ (1)(2) 
・ ボーイング CH-47  チヌーク


・ シコルスキー CH-53E スーパースタリオン
      (参考) CH-53D シースタリオン
・ ミル Mi-26 ヘイロー (1)(2)

いずれも、現在運用されている大型ヘリコの型式別の代表です。

オスプレイはサイド・バイ・サイドかつコンバージョン型の代表、チヌークはタンデム型の代表です(いずれもライバルはいない)

スーパースタリオンはシングルローター型でかつトライ・エンジン、加えて傾斜テール・ローターでの最強のエントリー。同じくシングル・ローターのヘイロー(NATOのコード・ネーム)は軍用中型輸送機ロッキード C-130 ハーキュリーズに匹敵するビッグ・リフター。(いずれもヘリコの基本構造のデファクト・タイプだが、いまのところ追随機はない)

オスプレイはというと開発に16年を掛けていることになる。あとは生産機数がどこまで伸びるかに興味が移る。(日本は奇特にもその間の開発費用の分担をするつもりのようだ)

これらの大型ヘリコの開発はかなり古い。比較的新しいスーパースタリオンも、前身のシースタリオンで見ると1960年代で半世紀前の基本コンセプトといえる。生産数は突出したチヌークを除き300機あたりが需要の限界のようである。

Huge_helico_of_the_world_rev

上図(図上の左クリックでポップアップ)はそれぞれの大型ヘリコの開発年次とサイズを並べたもの。(ピクセル単位で縮尺をそろえた寄せ集めです)

1950年代に入ってヘリコのタービン・エンジン化や双発エンジンの出力を統合するギア・ボックスの開発が進んできました。

ソビエトがミルMi-6 で先行していたのは、軍用途もありますが、冬季には人を拒む未開のツンドラやタイガ地帯では交通網の整備や維持がむつかしく国土経営には大型ヘリコは必須の運輸インフラとなりえるからでした。

1986年のチェルノブイリ原子力発電所の事故ではインフラの一端を担った Mi-6Mi-8Mi-26 などの大型ヘリコの一部は発電所上空での鎮静化作業で浴びた放射能汚染のために現地で廃棄処分となっている。いっぽうではそれらの機の搭乗員の被爆やそれに伴う被害については日本国内ではほとんど報道されていないようだ。ちなみに Mi-8 のローター径も20m越えの大型機です。

クレーンヘリコと呼ばれるカテゴリーに入るミルMi-10 では資材と同時に要員の輸送のための客室を備えていました。

ちなみに当キネマ航空のエアポート・ツアーで上映している「エアジャック 907 」では Mi-10K がクレーン作業用の格納式ゴンドラを下げた状態で背景に登場します。

映画の舞台はギリシャとトルコの係争地である1990年代のキプロスですが、こちらのコラムに書いたギリシャの歴史は基本的に今と変わらぬ指導者不在なのか国民不在なのか分からぬ混乱です。軍政のなごりが今も跡を曳いているいるのですかね。

(といったことでキプロスの現在はギリシャのデフォルト騒ぎに巻き込まれえらい目に会っていますので書き換えが必要なのだけど当CEO は今のところ手をつけられない。その辺は斟酌して読んでくださいね)

さて、クレーンヘリコではアメリカはシコルスキーCH-54 で追随しました。形態としては頭と背骨と尻尾だけでお腹にあたるキャビンはコンテナにして必要ならば背骨に取り付けるという徹底した軽量化が図られました。吊り下げ作業のオペレーターが乗るゴンドラは鰓(えら)のあたりに後ろ向き固定されて(上は背骨が幅広のひさしとなっているが)下方視界は良い。

アメリカは広いといっても中緯度の気候であり空港などのインフラの整備はソビエトより格段に有利であります。したがい超大型の輸送ヘリコの必要も需要もほとんどないといえます。

大型のクレーンヘリコとしては送電線の鉄塔の設置やファイヤーファイター(消火ヘリコ)などに退役したCH-54 が使われているようです。 追記:加えて1992年には型式認証を含めた製造権を引き継いだエリクソン エアクレーン社による改造および新造機も同社により運用され販売及びレンタルとメインテナンスが継続されている。民間型の型式名を継承して今ではS-64F になっているようです。

民間の輸送で超大型の回転翼機が必要となれば Mi-26 、固定翼機であればアントノフ An-225 ムリア をチャーターしたほうが経済的でもあります。日本にも飛んできたことがありました。(閑話休題)

で・・・この CH-54 CH-53 シースタリオンの原型となります。

(つづく)

ご参考
その他のヘリコのサイズと比較したい方は こちら 。
helico scale comparison で画像検索して飛びつくと Google では遮断される危険なサイトがあります。ご注意を ! !

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