無料ブログはココログ

« キネマ航空CEO MRJ の胴体を考える  | トップページ | キネマ航空 CEO ジェット・エンジンの復習を続ける »

2015年12月 5日 (土)

キネマ航空 CEO ジェット・エンジンを復習をする

下方の筆足らずの説明部分を赤字で加筆訂正を致しました。混乱させてしまった方にはお詫びいたします。申し訳ありませんでした。心より陳謝いたします。キネマ航空CEO 2016/2/19
再度訂正いたします。詳細は本文に書き込みました。ご迷惑をおかけしており、申し訳ありません。キネマ航空CEO 2016/3/23
訂正内容のリンク先を本文に書き込みました。こちらでご確認をお願いいたします。ご迷惑をおかけして、申し訳ありませんでした。キネマ航空CEO 2016/5/22

キネマ航空CEO MRJ のエンジンを考える」の前に「ジェット・エンジンの歴史を振り返ってみる」 の巻です。

 ジェット(噴流)エンジンにおいても、「キネマ航空CEO プロペラの勉強をする」で学んだように「ニュートンの第二法則」が適用される。

 異なるところの一つは「ベルヌーイの定理」がそのまま適用できない。なぜなら空気の流量質量のほかにジェット燃料の流量質量も加わるため「連続する流れ」の定義に外れてしまうからです。二つ目は流れに温度が加わるからです。

 したがい、「プロペラ・・・」で考えた圧力を扱う部分は独立して扱わなければならなくなるのですっきりとした式にはならない。このため「プロペラ・・・」では暗黙知としていた「ニュートンの第三法則(作用は反作用に等しく向きは反対である)」を頭の隅に入れておくことで進めてゆきます。

 まず、ジェット・エンジンの空気の流れにはレシプロ・エンジンではシリンダーの中で起こっていたプロペラとは直接関係のなかった燃焼という化学反応による熱力学が加わる原理・・・(レシプロ・エンジンが捨てていた熱エネルギーを直接利用するのだから性能が良くなることは間違いないが、それにも上限と下限がある・・・) その勉強から始めます。

1.ターボ・ジェットエンジン
 先頭にコンプレッサー(圧縮機)、続いて燃焼室(コンバッション・チャンバーだけど長すぎる)、燃焼室から噴出してくる高温・高速の燃焼ガスの一部を圧縮機を駆動する回転力に換えるタービン(適切な日本語がない。風車、水車と同じく噴流車かな?)の三つの要素からなる内燃機関であります。

 結果的には余った排気圧力による「ニュートンの第二法則」が成立するのですが、「ボイル=シャルルの法則注) から始まる熱力学で計算される空気の膨張による圧力が主役になります。

注) 正確には燃焼する前に、圧縮による発熱すなわち断熱圧縮が行われるためポワソン・シャルルの法則です。 こちら を参照ください。ボイル=シャルルの法則ポワソン・シャルルの法則の一部です。

 つまり、タービンを通過した燃焼ガスが排気口から噴出されるときの、

吸入空気の質量」と燃料の質量」からなる「それぞれの単位時間当たり噴気(排気)質量×それぞれの速度変化量」 に 「(噴気(排気)口の出口圧力-大気圧)」×噴気(排気)口面積」加えた結果が 「(推) 」となる。

後者は出口でだから圧縮機を回す力「温度の関数である圧力や速度の変化」はすでに差し引かれている。また前者の燃料質量の速度変化量の計算時の初速は(とりあえず)0 m/sであり、吸入空気の初速は(こちらも、とりあえず)飛行速度 v m/s であります。

厳密には燃料噴射ポンプが与える初速の分力や圧縮機が吸い込む速度の増分もありますがとりあえず考えないことにします。

という二つの「」・・・の反作用ニュートンの第三法則から推力が計算できる。

ジェット燃料を容積ではなく重さで計量する理由の一つ。現実には液体燃料は温度で体積が変わるが重さ(熱量)は体積が変わっても変わらないという燃料の商取引のベースとなる定義でもある(閑話休題)

 さて、上の式を当CEOのような素人が定量的に解くのはむつかしいが定性的には考えられる。ジェット・エンジンの性能(推力)を上げるには、

A.吸入空気量を増やす
  a.1 吸入口の面積を増やす(図面寸法を一定比率で拡大する)
  a.2 コンプレッサーの回転数を大きくする
  a.3 高速で進む(飛行する)
 これらには、それぞれの限界がある。
  a.1 吸入口の直径を2倍にするとその面積は 4 倍、エンジンの重さは 8 倍になる「二乗三乗の法則」にとらわれる
(もちろん多少の工夫は可能だろうが機体に対する性能は 4 倍にはならない。機体に対する最適設計がある)
  a.2 コンプレッサー外周速度が音速に近づき羽根の形状を変えても限界があり性能は比例しない。 a.1 では原型と同じ回転数でも同様の結果となる。
  a.3 見方を変えれば必ず通過する低速飛行状態では物体を動かす『力』の使い方である効率としての性能が悪い。
2016/5/22 の 「キネマ航空CEO 航空エンジンのお仕事の効率を考える(ターボ・ジェットの巻)」にて最終訂正といたします。ご参照ください。
     大量の燃料を燃やしてやれば力は大きくなり最大速度も速くなる・・・けど燃焼させるには吸入空気量も必要となり a.1 へ戻ることになる。

ジェット・エンジンの本質は ボイル=シャルルの法則 上記注)の部分にある。吸入口面積に比例する吸入空気量を一定として考えると、

B.排気圧を大きくする/B'.排気口の面積を大きくする
  b.1 排気温度を高温にする
  b.2 排気口の面積を小さくする
  b'.2 圧力に乗ずる排気口の面積を大きくする
とはいっても
  b.1 (圧縮機の段数やラム圧を利用する吸入口の工夫は考えられているが)
            圧力も温度も圧縮と燃焼という前段階で決まる。
      燃焼室やタービン、排気系統に使われる材質の耐久性に限界がある。
      ジェット燃料の発生熱量にも限界がある。
  b.2、b'.2 飛行速度とコンプレッサーの回転数(吸入空気量)に合わせて排気口の面積を制御すればベルヌーイの法則で出口圧力は選べるが発生しているエネルギーそのものは一定なので超音速と亜音速で空気の性質が変わる飛行をする航空機でなければ高価な耐熱材料を使った装置の重さ( = 価格)で割に合わない。

C.燃料を注ぎ込む・・・
    飛行速度と吸入口の面積の積に比例する吸入空気量に対する空燃比の概念の復習です。
    炭素(C)と水素(H)がつながった分子である燃料分だけ排気の質量が増えることは間違いないし、完全に燃焼すれば高温にもなる・・・が
お金と世論(言い換えれば経済性と環境汚染)が立ちはだかる。
  c.1 燃焼室の(酸素を含む)空気と燃料の重量割合(空燃比)で燃料が濃く(リッチに)なると燃えない燃料で燃料消費効率が悪くなる。
      高熱で分解された炭素(C)は粒子状浮遊物質(SPM)、煤になる(古い実写の航空映画を見ればわかる)。余った水素(H)はいずれ酸素と結びついて水になる(H2O)ばかりではなく酸(例えば雷を触媒にして炭酸 H2CO3 など酸性雨の素)にもなる。(雷なぞはプラズマや活性化酸素を生成して触媒の働きもする)
  c.2 空燃比が薄く(リーンに)なると残された酸素(O)が高温により燃えない窒素(N)と化合して窒素酸化物 (NOx)となる。
  c.3 理想空燃比(大体15:1ぐらい)で完全燃焼すれば二酸化炭素(CO2 )と水(H2O)だけになるかといえば、あくまで仮定された理論であり現実の燃料やエンジンのメカニズムとして見れば程度の問題ではあるが、一酸化炭素(CO)もNOx もSPMも皆無にはならない。
     そのCO2 にしても植物の炭酸同化作用や海水の吸収余裕とのバランスで人間から酸素を奪ってゆくこともあり得るし酸性雨にも地球のお布団にもなる。いずれ小氷河期が来ればドンドン燃やせばいいのだろうが間氷期の今は温暖化の元凶でもある。
     また化石燃料には硫黄(S)などの不純物質も含まれ、ほかに潤滑、抗酸化、防錆・防蝕、氷結防止などの機能添加物も含まれており高温により分解、合成される多くの化学物資が大気中に拡散すると有害物質にもなる。

 いずれにせよジェット・エンジンで航空機エンジンのイノベーションはできた。レシプロ・エンジンより圧倒的に軽量で小さい。小さな体でも、出力は高速になるほど出てくる。もっと(もっと)早く飛べる。もちろん、機体に合った吸入口面積(直径)を採用したエンジンを使って効率よく燃料を燃やすことで、である。

 と言うことで、音速を超える高速への挑戦で「音の壁」などないことがわかり、競争が一段落すると、レシプロ・エンジン機よりちょっと高速で、音速よりちょっと低い速度で効率よく飛べればいいじゃないかの競争に移る。

エンジン自体が過給機(=圧縮機)だから空気は薄いが気流の安定した高空を飛べ、機内に分流して航空減圧症(高山病)になる前に人間の呼吸(体脂肪や糖質の燃焼)にも使えるしね。

そこで

2.ターボプロップ・エンジン
 推進力を排気口圧力で、ではなく、コンプレッサーを回すタービンの動力を差し引いて残った圧力を回転力に換えて、燃焼には関係ない冷たい(質量の大きい)空気を後方に送るにはジェット・エンジンの吸気口の面積よりはるかに大きいプロペラを回して・・・と、考えだされた。(正確には、ターボジェットが完成する前にジェットでプロペラを回す構想はあった)

 したがいタービン部の構造は排気エネルギーを回転エネルギーに変えて取り出すためにタービンの段数は多い。その過程で排気の温度が下がり排気の圧力は大気圧に近くなり排気の流速も低下する。

 初期のターボ・プロップ・エンジンはコンプレッサーとそれを回すタービンの軸は一体であったが、その回転数では直径の大きいプロペラでは先端が簡単に音速に達してしまう。・・・で、その間に減速歯車(ギヤ・ボックス)を入れて適当な(テキトーにではない)回転数にまで減速することになる。

 そのうち、それじゃあ、とコンプレッサーを回して排気エネルギーが減ったところで、プロペラを回す出力タービンを回せば(つまり圧縮機駆動軸と出力軸を分離すれば)回転数も低くなるとして考え出されたのがターボ・シャフト・エンジンとなる。それでもギヤ・ボックスは必要であるが主にヘリコプターで使われ始めた。

 現在では(ここでは単に使い方での分類である)ターボ・プロップ・エンジンにも採用されている。

 ターボ・プロップ・エンジンの利点の一つにはプロペラのピッチを制御する技術が確立しており特に低速ではターボ・ジェットより効率よく出力を利用できる。

 ターボ・プロップ機が達成したのは同じクラスのレシプロ・エンジン機の最高速の平均値あたりが巡航速度として使えるようになったことである。

 で、音速を超えなくてもいいからレシプロ機やターボプロップ機よりもう少し速く飛びたいという目標で作られたのがターボ=ファン・ジェット・エンジンであります。

航空機のジェット・エンジンは最高速か、巡航速度か、と目指す機体の速度をパラメーターにして、「ニュートンの第二法則」 と 「ボイル=シャルルの法則」 のどちらに推進力を得る重点を置くかで構造自体が進化もしくは分化していくことになります。(閑話じゃないですよ)

 次回はターボ=ファン・ジェットのこころだー。主題の MRJギヤード・ターボ=ファン・ジェットの心、はその次になります。

本題のギヤード・ターボ=ファン・ジェットに入る前に勉強することが多いなー。

« キネマ航空CEO MRJ の胴体を考える  | トップページ | キネマ航空 CEO ジェット・エンジンの復習を続ける »

MRJ」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/570012/62794321

この記事へのトラックバック一覧です: キネマ航空 CEO ジェット・エンジンを復習をする:

« キネマ航空CEO MRJ の胴体を考える  | トップページ | キネマ航空 CEO ジェット・エンジンの復習を続ける »

2017年4月
            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30