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2016年9月20日 (火)

キネマ航空CEO 陰謀論は楽しい!上有対策、下有政策?の巻(全編閑話)

2016/09/25 公開校正と加筆を終了しました。とりあえず、これを以って決定稿とします。

 陰謀論と言えば「太平洋戦争はルーズベルトの陰謀」説がある。「チャーチルの陰謀」説もある。全般に海外のジャーナリストや歴史学者の本やその翻訳がベースのようだ。

 Webでは、ここから引用したり、パクったり、で自説を構築する若い人たちもいる。しかし、「陰謀に乗っかってしまった、その前に陰謀の元ネタを作っちまった、日本(人)の無能あるいは限界」説と併せた論考はしていないようだ。「それを自分で言ったらお終いよ」の究極の自虐史観の裏表なのだろう。

 史観と、重々しく他人の口から浴びせられるが、発音すれば「しかん」、言ってる本人の私感と大して変わらない。

 でも、陰謀論って楽しいんだろうな。で、当CEO もやってみようと思う。

 さて、最近の事例では、「せいふ」(以下、お上)に対する日本の自動車メーカーの燃費偽装申告による認証について・・・(以下、ご承知なら----までとばしてね)

 燃費の値そのものは実用上にはほとんど無意味なのだが、お上は技術上の認証制度と燃費値による分離課税率とを絡めて新車への更新政策をとっている。

  この事例でほとんどのジャーナリズムあるいは自動車評論家は珍しくも「けいざいしんぶん」以外の瓦版もこぞって「お上」に対する虚偽の申告は「りょうみん」に対する冒とくとして論陣をはった。

 概要は「みつびし」の申請値は会社組織による捏造値であるとの内部告発に始まり、「お上」から業界団体に対して行われたヒヤリングで「すずき」が申告値の基となった走行抵抗はお上のご指示と異なった個別実験データの積上げ値だったと報告し、この二社が瓦版の標的となった。

 「お上」はやりたくもない検証実験を行った結果、「みつびし」は申告された全機種にくわえて対象機種以外にも(会社ぐるみの)不正の存在を実証してしまった。

 いっぽう「すずき」には、全機種に申請値よりかなり優れた実験値のお墨付きをお上から下しおかれることになる。

 お上の振り上げた拳は、一応の無罪の通達だが、「お上のお触書通り」に行わなかった罪、という理由で今後の申請に当たっては(他社より)厳しい審査を実行する、という時代遅れの「大岡裁き」めいたお達しで幕が引かれた。

(ここまで前振りね・・・長いな)

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 さて、陰謀論はここから!

 発端は、「みつびし」からの内部告発であったらしい。こうした場合、お上は業界団体のまとめ役にまず腹の探り合いを持ちかける。

 相手は「とよた」である。T社などと書かないで平仮名を使うのは実録を書くつもりなど、はなからない、からである。

 自動車会社の技術部門と品質部門と購買部門の際(きわ)になる狭間(はざま)には、競合メーカーの競合車種を市場から調達して性能を徹底的に測定し分析し、さらに分解して部品の精密測定を行い、ものによってはさらに復元できないまでに切断して精度のレベル、さらには材質からコストまで推定する隠密部門もしくは組織を持っている。

 「とよた」はかなりの予算を使って、それこそ全世界の主要な大量生産車種を系統だって調査した情報の集積を持っている(持っていないとおかしいのですよ)。

 当然、「みつびし」車の公開情報と実性能の乖離は十分に承知していたと考えていい。

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 「とよた」は考える。省庁お大名に匹敵する業界の大名主、大庄屋として、これまでのようにお上と計らい穏便に収めるかどうかと。

 決断は公(おおやけ)にする、を選んだ。結果、お上は予算があまってたのか、事後対策に奔走することになる。

 「みつびし」を叩くことは、お上の影の政策(Shadow politics)である日本の多すぎる自動車産業の統合(実際は整理の)政策に手を貸すことになる。

 かなでほん忠臣蔵なら「あさのけ」は見当違いの「きらさま」に報復できるが、今回ばかりは、とばっちりを受けた平侍、足軽、雑兵は(お家の存続など二の次の)雇われご主君様、ご家老様、お目付衆の重役方を恨むしかないのである。それでも納まらないのは抱えるものが多くて逃散もできない「あさのけ」に連なる農民町方衆である(逃散:江戸時代の農民の抵抗手段)。藩札を現銀化する「おおいしさま」は「みつびしけ」にいるのか。

 たとえば、「みつびし・じどうしゃ」とは何の関係もなくなったが、かつての親会社の「みつびし・じどうしゃ」より更なる悪名の残る「みつびし・ふそう」は今は外様の「だいむらーけ」の連結子会社である。ディーゼル・エンジンの商用車で「とよた」の連結子会社の「ひの」や資本関係のある「いすゞ」と競合している。

 そうなれば、実行できる力のある下(しも)の決断は早い。資本主義の中での私企業の本能でもある。上有政策が上有対策に走っている間に下有政策を実行しながら下有対策を装ってお上の政策をお手伝いする。

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 しかし、お上のヒヤリング(つまりご威光による丸投げ制の自己申告)で「すずき」が手を上げることを「とよた」が織り込んでいたのかどうかは定かではない。

 ただ、「すずき」は「とよた」や「よりあいしゅう(こうぎょうかい)」への仁義は尽くしてからお上に申告しているだろう。

 「とよた」が「すずき」の小型車はともかくとして、自社の隠密部門で軽自動車を頻繁に調査していたとは思えない。しかし、熾烈なシェア争いと燃費競争を行っている連結子会社だった「だいはつ」が同様の調査を実施していることは間違いない。

 では、なぜ「すずき」が自己申告に手を挙げたのか、「すずき」が「とよた」の高級車を調査することはないが、「だいはつ」の競合車は徹底的に調査して、そのお互いの手の内は分かっている。

 むしろ自己申告した背景となった事実を既にお上に知られていたのかもしれない。おそらく、ゲームの理論、中でも囚人のジレンマの中で「だいはつ」を同じ土俵に上げようとしたのであろう。

 お上も常に江戸にいるわけではない。役得もある関八州見回り役の監察(のまね)ぐらいはやる。今では新幹線も飛行機もある。「すずき」へだっていく。設備の説明も受ける。技術者とも会う。

 「すずき」が偽装に使ったとされた技術は既に公知のコンピュータ・エイディッド・エンジニアリング(CAE コンピューターに支援された開発技術/確立には膨大な時間の計算と実験による整合性の確認が必要になる)であり、「とよた」も熟知しており、間違いなく使っている。お上だってそんな技術の存在は先刻勉強をしている。

 「とよた」は「すずき」の技術レベルと市場に対してのデータ偽装にならないことを「だいはつ」を通して承知しながら、「すずき」に自己申告に隠れた業界の内部告発者となる因果を持ち掛けたのかもしれない。

 同時に、孤独な晒し者の「みつびし」には心理的な安堵と油断の呼び水を与えることにもなる。人間も組織も弱者に対しては異常な強者にもなれる。

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 認証に、一々の実測データをもって申請する時間と手間を含めたコストは多くのライン・アップを抱えるメーカーにとっては膨大な負担である。

 お上が身をもって実証した「すずき」の「CAE の使い方はお上のお定め書に対する違反」のみであり「お上の実験値は全車種で申請値より良好であった」という「技術上のモラルが業界に存在する」事実をメディアを介して下々へ公知させる、またとない機会となる。

 つまり、申請機種を代表する車種にのみに実測データを添付することでCAEのデータを申請資料に使用できることを法令化するディール(取引)である。

 もちろん、申請データに不審があれば(上納金は必要だろうが)今回のようにお上が実測する責任分担を付けて。

 そもそも、社会の中ではカタログとビッグデータの統計値の中にしかないメーカーとカスタマーとの間の暗黙知である燃費の値を課税額の対象にすることで生じるお上がとるべき責任のありようを迫った。

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 発端となった「みつびし」を対象とした内部告発があったのかどうかは問われない。内部告発者は最大限の保護を保障することがお上の矜持であり堅持されなければならない。

 同時にその中に陰謀を潜ませることもあり得る。追及された両社の対照的な差は業界内での正義や序列の問題も含んでいる。もちろん業界とお上の双方にとっても。

 したがい、お互いに開示し合ったかどうかは分からぬが、「墓穴を掘った生贄」の存在を共有する相互の暗黙の判断による個別的共同陰謀論は成立する。

 お上にも「すずき」と競合する「だいはつ」を比較対象車として調査対象に考えた技術職がいたかもしれない。

 しかし、お上の仕事は受理された文書の整合性の有無のみである、と上司に止められる。やろうとしても「とよた」の不同意に阻まれたであろう。

 「だいはつ」は2016年8月1日に「とよた」の完全子会社となり上場も廃止された。

 そのお上が認めた「すずき」の燃費性能はソフト・ハイブリッドなどの技術で成立している。いっぽうで、普通のしかも同じ排気量のエンジンの燃焼や駆動系の改善と、同じ規格内の車体軽量化で同等の燃費性能の申請値を実現できるのか、の問題がのこる。

 結局のところ、「すずき」の採用したギミック自体がその程度の技術なのかもしれないが、e-燃費と呼ばれるビッグ・データではかなりの差があるように見える。

 「とよた」がこの問題でお上に口を出したかどうかは分からないが「とよた」の本心は別にある。

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 「とよた」が「だいはつ」の株式を100%所有し自社の一部門にしたのは「すずき」の「いんど」の市場がほしい、の一言に尽きる。

 燃費偽装疑惑の公表とお上のお沙汰はマスコミ瓦版の高性能マッチと貧弱ポンプにより軽自動車の市場を冷え込ませるそれなりの効果があった。

 「とよた」とっては「すずき」の思惑の成否などに関係なく抑え込み、「すずき」は情報公開の手腕は拙(つたな)いが技術に関しては正直な会社であるとの信用を世間に残し、同時に新規認証車の投入が遅れるというボディ・ブローを与えて軽の市場の縮小を早める方向性を業界関係者に知らしめた。

 同時に、にっさんには、みつびしとの協業、特に軽自動車主体の国内事業の先行きに冷水を浴びせた。にっさんはOEMとの比較を再度せざるおえないだろう。

 次は「だいはつ」を通して直接コントロールできる軽市場の縮小整理に伴う「すずき」へ繰り出すパンチを隠して、いよいよ本丸である「すずき」を持ち株会社として進む「いんど」への道である。そんなに急ぐことはない。

 いまのところ、「とよた」にとっては、「すずき」はしっかりと独立した社会性のある会社、でなければならないのである。時は移ろうのだ、急ぐことはない・・・ただ、

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 陰謀論はいくらでも紡げる。

 にっさんみつびしの虚偽申告を知る同様の組織や機会などの背景はあるはずだが、 どこまで他社の品質を独自調査していたのか、るのーけ の傘下で技術情報の蓄積は機能していたのか、OEMの場合の自社確認はどうしていたのか。

 陰謀論の引き金となる内部告発には、みつびし のすべての情報を承知した にっさん、正確には、るのー の日本の国内市場など捨てた世界戦略が背景にあるともいえる。これにより みつびし 株の市中価格が落ち込むことは間違いない。

 上記は、それに対する とよた のカウンター・インテリジェンスともいえる。にっさん みつびし の海外シェアを手に入れる時には すずき いんど を確実に手に入れておかなければならない。

 それも、虎視眈々と狙う各社の追い上げに捕まる前に・・・

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 どうです?三菱自動車が市中に公開した(商品を含む)情報を分析する各社の能力を駆使した「真田丸」よりはるかに壮大な調略合戦の陰謀論ですが信憑性はどうでしょうね。

 VWのディーゼル車の排ガス燃費偽装もアメリカの大学の研究室が(輸入された)「市販」車から手がかりをつかんで暴かれている。

 それよりも、三菱自動車は、なぜ「偽装はばれない」 と信じていたのか、とマスコミに問うほうが先のように思えます。

 がそのマスコミも含めて、皆が皆、陰謀(論)とやらに巻き込まれる大日本帝国と同じ構造なのかもしれません。何とかムラの中にいるのでしょうかね。

 それにしても、VW に比べるといかにも幼稚な手法は、意外に手の込んだ戦略的(?)黙認の陰謀で、今更どうにもならぬ憂き身を日産に「ミツビシ」ブランドと一緒に一切合切の丸投げ身売りで花道を飾り退場するために、わざと・・・

 いやいや、お上の測定データ自体が政策的捏造だとする陰謀論だってあるかもしれない。

 ね!部外者にとって、陰謀論はアホらしくも楽しいでしょう。

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