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2016年10月24日 (月)

キネマ航空 CEO GTF の GB(Gear Box)の減速比に迫ってみる。

2016/11/13 一部赤字にて修正しました。確認不十分をお詫びいたします。

一般に 3 と言われている減速比の検証です。合っているかどうかは終わりの方に・・・

ギヤード・ターボ・ファンのギヤ・ボックスの構造もオスプレイのプロップローターのヘッド並みに登場する機会が少ない。

これは、シアトル・タイムズの記事のイラストでギヤ・ボックスの構造が何となくわかる。

しかし、エンジン本体のカット・アウェイ・ドローイングは、ごく初期のP&W プレス・リリースらしく、スプールの構成は 1-G-3-6-1-3 で、現在公表されている 1-G-3-8-2-3 の配置とは異なっている。

Mainqimg9c768bb245a528c0b5a4b6a6746

P&W ピュアパワー・シリーズは三つのファン直径(56、73、81インチ)、三つのバイパス比(9:1、12:1、12.5:1)で構成されており、おそらく三つのコア・エンジンを持つと思われる。

                                            P&W PW1000ファミリー

 静止出力 klb   15●17●19●21、22、23、24、25●27、28●●31●33●35
 ファン直径 in 56 ○  ○ 
           73        ○  ○ ○ ○ ○ ○ 
           81                  ○     ○  ○    ○  ○  ○
 バイパス比  9:1 ○  ○
         12:1             ○  ○ ○ ○ ○ ○
        12.5:1                 ◎     ◎          ◎  ◎
                ●:欠番   ◎:エアバス発注仕様
      この疑似テーブルはファイアフォックスとサファリでは正常に表示されません
      RSSのフィードでも同様です

      スマホ、タブレットでの確認、致しません!

したがい、常識的には三種類ないし二種類のギヤ・ボックスが設定されていると考えられるのだが、そのあたりは定かではない。

それにしても、エアバスは主導するフランスの天邪鬼ぶりが表れている。これは次々回あたりのネタになりそう。

内部構造のわかるギヤボックスの画像はWEB 上にいくつもあるが使い回しのようだ。通覧した画像からはどの直径のファンを駆動するのかは判らない。

Pw1000gpurepower_enginepwgtffandriv

A ギア・ボックスを内側を見たところ

・中央にサン・ギヤ(太陽歯車)Zs : 34 枚
・外側にリング・ギヤ(内歯車)Zr : 96 枚
・中間にプラネタリー・ギヤ(遊星歯車)Zp : 31 枚
 軸を支えるキャリヤの反対側にも軸を共用して同じ歯数の遊星歯車があり歯車の歯に掛かる力を半分にする
 キャリアの両側に捩れの角度は同じだが方向が逆のハスバ歯車を採用して噛み合う歯数を増やして騒音を抑え、噛み合った歯に掛かる応力を減少させて強度や寿命を向上さている。併せて、ハスバ歯車で生じる軸方向の力の向きを対向させてケースに掛かる力を打ち消している
 歯車列の設計では噛み合う歯数の最小公倍数を最大にするのがポイント。遊星歯車に 31 という素数を使ってきちんと守ってますね

Pw_1000gpurepower_fan_drive_gear_sy

B

ACD と同じ型式サイズのギヤボックスかどうかは不明

内歯車の突び出し具合からすると上の写真の反対側から見たところ

5本の(うち1本は外されている)パイプはプラネタリー・ギヤの軸を支えているベアリングの潤滑油の配管だろう

細かい話は最後の「閑話は続くよどこまでも」で・・・

Pw1000gpurepower_enginepwgtffandr_2

C

WEB上では、他にもいくつかの写真があるのだがほとんどが同じ写真かそれに回転や反転、背景を消す処理を加えた画像だった

これと下の画像 D は、A と同じ展示モデルを別の機会に別の方向から写したようだ

D

C の鏡面対称だが歯車の位置や回転角度が微妙に違う

なお、ここに掲げた歯数を数えられる 3 枚の画像の歯数は同じでした

Mroeng_2014_gallery07_s

さて、遊星歯車列としては一番単純な形式である。機能させるためには三つある歯車の回転軸に入力軸、出力軸、固定軸を割り当てなければならない。

減速機として働かせるには次の二つの方法がある。
遊星歯車について詳しくは知るには こちら で)

・太陽歯車を入力軸にして、内歯車を固定軸に、遊星歯車のキャリヤを出力軸にして正回転を取り出す。
・太陽歯車を入力軸にして、遊星歯車のキャリヤを固定軸に、内歯車を出力軸にして逆回転を取り出す。

ほかにも、二軸を入力軸、一軸を出力軸にすることもできるが出力が減少する動力循環になることもある。イラストを見る限りではそれほど複雑な構造は採用していない。

余談となるが、入力軸を一軸、出力軸を二軸にする構造もある。自動車では傘歯車で構成される差動装置(デファレンシャル)として必須な構造です。これはコントラ・プロペラで採用される機構となります。ジェット・エンジンではもっと単純な構造もあります。ヒントは以下の説明のなかに・・・今のところ成功していないけど。

ここで、MRJ エンブラエルが採用する二段の低圧圧縮段を持つ PWxx15PWxx17 タイプのカット・アウェイ図を参照する。スプールの構成は 1-G-2-8-2-3 です。

Pw12xx_sファンは正面から見て反時計回りです。(これは、実物の写真からも確定できる)

いっぽう、ファンを駆動する低圧タービンは時計回りであることよりギヤ・ボックスの機能は出力軸にあるファンが逆転する後者の構成であることがわかる。

(減速比は前者の設定の方が大きくできる。後者を選んだのは軸を支持する構造の簡便さからと考えられる)

ちなみに、高圧段は反時計回りなので、高低圧段の二軸で構成されたスプールは逆回転タイプです。
既出の 三段低圧圧縮段の図からも同様の結論になります。というより高圧段圧縮機以降は同じ画像の右半分は使い回しのようだ)

さて、このギヤード・ターボ・ファンのギヤ・ボックスの構造では、遊星歯車は遊び(中間)歯車としての逆転機能なので(遊星が公転する厳密な)遊星歯車機構ではありませんがパッケージとしては同軸でコンパクトにまとめることができます。

で、バディとなる三種類あるファンの径はどれだか、はっきりしないものの、
   減速比 = - (内歯車の歯数)/(太陽歯車の歯数) = - 96/34 = - 2.823

(-)は逆回転を示します。四捨五入で (-) 3 ですが技術情報としてはどうなんでしょうね ?

2017/02/17 追記 ファン径 81inch のギヤボックスの減速比は 3.0625 であることが確認できました。詳細は こちら

「閑話は続くよ、どこまでも」・・・

先の画像 B はギヤ・ボックスを後方から見ている。中ほどの穴の中に見える歯車状のスプライン(軸)は遊星キャリヤをコア・エンジンの筐体に固定された中空軸に勘合させる。
(スプライン:軸の回転を直線で伝える歯車状の軸と穴からなる軸接手)

その中空軸の中を低速タービンから伸びた駆動軸が貫通し太陽歯車を駆動する。

大きな内歯車状のスプライン(穴)は内歯車と一緒に回転するギヤ・ボックスの(多分潤滑)構造を構成する壁面の勘合部と思われる。

ファンの駆動は画像 CD で見られる外周にあるスプライン(軸)で勘合するケースが遊星歯車機構を外側から覆い、最上段のカット・アウェイ図に示されている「GEARBOX」と吹き出されたイラストのケース先端部にあるボスにファンのハブを取り付けておこなう。

結論から言えば、P&W が開発したギヤード・ターボファン・エンジンである ピュアパワー のギヤ・ボックスの構成は、1970 代から実績を重ねている静止推力が 7klbf 級の基本レイアウトを踏襲している。

そのロール・モデルは、小型ビジネス・ジェットに向けて ギャレット・エアリサーチ TFE731 として開発・量産化され成功し、ライカミング、アライドシグナルを経て現在はハネウェル ALF 502/LF507 と変遷しながら継続している。

実用化されたギヤード・ターボ・ファンの系譜は上記になるがギヤ・ボックスの変遷はいくつかあることが分かってきました。このため以下を見え消しとして詳しいことが分かり次第訂正いたします。ご迷惑をおかけして申し訳ありません。

 こちらの遊星歯車は捩じれ角の小さいハスバ歯車を 1 列 4 個で構成されているが、ピュアパワーは捩じれ角の大きい対抗するハスバ歯車を 5 x 2 列 10 個で高出力に対応している。

ごく初期のギヤード・ターボ・ファンの詳しい構造図は見つからなかったが技術史としてはターボ・ジェットの創生期から考えられており、遊星歯車を使った二種類の減速機にそれぞれ取り組んだ開発の先行例は数多くある。

(閑話休題・・・やっとね! )

次回はこのギヤ比がどう貢献するのについて考える。

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