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2018年7月20日 (金)

キネマ航空CEO 『GTF のまとめにかかる』の巻(その 2) と 夏季特集 2 題

公開校正および校閲中です。 キネマ航空CEO (2018/07/20)

 「キネマ航空CEO 『GTF のまとめにかかる』の巻(その 2)」 は、末尾に
 キネマ航空CEO 『GTF をまとめちゃった』の巻を挿入して全三巻で終わりとします。

 巻末に夏季特集として『Honda HF120 とそのライバルたち』 と 『ロールス・ロイスの高バイパス比化について』、 の 2 本を追加しました。後者に訂正加筆を行いました。2018.08.25

 ずいぶん長くなりましたのでクーラーを効かせた部屋でゆっくりとお読みください。

 当CEO は 上記の作業 を除き夏休みに入ります。なお、コメントはお受けいたします。
 皆様もご健勝でお過ごしくださいますよう。
 秋口に当オフィスでまたお会いいたしましょう。

 なお当オフィスが運営する KINEMA AIRLINS はオン・デマンドで終日運行しています。
 皆様の ご搭乗 をお待ちしております。

                                       キネマ航空 CEO  敬白

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(承前)
キネマ航空CEO 『GTF のまとめにかかる』の巻(その 2)

 ターボ・ファンの使命は亜音速の上限を効率よく運行する航空機に最適化または特化したエンジンであります。

 いくらバイパス比を大きくしても低速域ではプロペラの推進効率にはかなわない。

 そこに高速になるほどダクトの抵抗が大きくなるターボ・ファンほどの高速を求めなければターボ・プロップの出番がある・・・のであるが、それはまた別の機会に。

 まず、前回のようにファンとジェットの独立した効率の数値あるいはグラフがあれば、ターボ・ファンの効率の試算は四則演算(加減乗除)の法則で、できる。

 中でも主要なのは加算であります。 ジェット・ブラストの速度比 1 (効率のピーク)をファンの速度比 1 より小さくすることで低速側の効率を改善できそうです。

 下のグラフ上ではグリーンの点線がそれです。 (左クリックでポップアップします)

 どうせやるなら、ブルーの点線で示すファンの効率のピークとなる速度比にまでずらせばいいじゃないか、 と言われても、そうもできない理由もあるのです。

Turbofan_w_staggered_speed

 ターボ・ファンの性能はファンの性能で決まる。そのファンの限界速度はマッハM0.9 程度であります。 つまりファンの効率曲線の速度比 1M 0.9 と読み替えるのです。
 限界速度とはファン、プロペラ、ジェット・ブラストとそれを搭載した機体の速度が一致した状態を示す速度。 現実の最高速度は限界速度より(ちょっと)低く、機体の抵抗と推進力が釣り合う速度です。

 その限界速度を実際に出せるのか、となると重力による緩降下で、あとは機体強度次第の引き起しとなります。 ファンで出せる(地球に沿った)水平速度はせいぜい M 0.8 から M 0.9 の間となる。

 同様に効率のピークを使う巡航速度は M 0.72 あたりを中心にほぼフラットな部分が使え、パイロットは追い風、向かい風でのエンジンの運転状態で対地速度を選べます。 だめなら高度を変えて風の影響を加減することになります。

あっ! ファンの効率曲線はダクトの効果を見込んでいないプロペラの効率曲線です。 もちろんこのグラフのままでの解釈ですから前回に示した「脳内補正手順」を忖度してくださいね。

 となればコア・エンジンとなるジェットの限界速度比「1」をファンの限界速度比の「0.9」にずらせばよい。

 計算はグラフ上の Pure Turbo Jet で基準とした速度比にずらした後の速度比「0.9」をとって係数として乗じて効率はそのままに横にずらすだけです。

 これは 前々回 のターボ・ファンにある二種類の流れ速度の食い違い比(Staggered Speed Ratio 正式の用語じゃない)はファン側の流速を大きくとるので s = 1.1111(=1/0.9) に相当します。グラフでは同じ用語なのに定義が異なりますがご容赦ください。

 前々回の考察ではこの程度の s 値だとコア・エンジンに対する出力の影響はほとんど無視できる・・・詳しくは前々回へのリンクでジャンプしてご確認を。

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 上掲のグラフでは今回の計算結果を実線で、前回の計算結果は破線で示している。

 新しいジェットの効率曲線とファンの効率曲線の交点がずれて、その新しい交点を境に前回と同じ結果がでている。 なんてたって足し算だからね。

 特徴は低速側で改善されてはいるが「どれだけー!」といった程度であり、高速側ではまあね」といった程度の向上が見られる

 さて、グラフ上でターボ・ファンの速度比 0.9 (= M 0.81) を越えたジェット・ブラストはどうなるのか、気になりませんか。

 機体に反力を与えているので速度は維持できますが加速には寄与できません。 あとはファンの性能次第であります。

 さて、前回の結論、「ファンの流速を速くする食い違い速度比は高バイパス比がのほうが安定して作動する範囲が広くなるとはいえそうだ」だった。

 つまりこの程度の食い違い速度はコンベンショナルなターボ・ファンでも技術的に、あるいは機速の速度比によってはバイパス比 q の変動も含めて必然的に生じて、使われているかもしれない。

 ここで本題に立ち返ると、ここまでのニュートン物理の解析と検討は GTF とはまったく何の因果関係も意図的な関連性もない。

 あるのは高バイパス比化はコア・エンジンの高出力化を伴う・・・であります。

 以下、風が吹けば桶屋が儲かる論法で高出力化のための高圧縮・希薄燃焼(リーンバーン)の新世代ターボ・ファン・エンジンが 「GTF」 と 「Non-GTF」 へ分岐する展開を並べて今回のお題に決着をつける。

・ 「GTF」の場合
 ▼バイパス比を大きくするにはファンの直径を大きくする
 ▼ファンの直径が大きくなればより多くのエネルギーの投入が必要
 ▼まず、ファンにつながる低圧段圧縮機を駆動する低圧段駆動タービンの回転数 N1 を大きくする
 ▼回転数を大きくすればより熱エネルギーを回収してより大きい回転エネルギーに変換できる
 ▼より大きな熱エネルギーが回収されるとジェット・ブラストの温度が下がる
 ▼温度が下がるとジェット・ブラストのエネルギーは減少する
 ▼エネルギーが減少すると推力となる流速が下がる。(音速以下にする)

 上記の流れは、▼で分岐される。

 ▼高回転になった N1の回転エネルギーはより高バイパス比のファンを駆動できる
 ▼高バイパス比のファンは直径が大きくなる
 ▼大きくなったファン直径は先端の速度がより超音速になる
 ▼せめて普通の遷音速レベルにするには減速機(Gear Box)を入れてファンの回転数を下げることになる。

 これが 「GTF」 の流れであります。

 ちなみにファンの回転数は何で決まるかというとエンジン側の軸駆動力とファンに掛かる回転抵抗のバランス(釣合い)で決まります。

 効率グラフの 1 未満での釣合いは、ファンはしっかり軸駆動力を受け止めて(吸収して)いますが (1 - 効率)の部分はファンが推進力に変換できていない状態になります。

 動力を吸収できないファンは入力容量が不足している状態で、抑えが利かないファンの回転は(もちろんコア・エンジンの回転も)暴走してしまいます。

 いずれにせよファンの直径がいくら大きくてもファンの諸容量、諸性能がターボ・ファンの性能を左右しています。

 GTFこの釣合いの整合性に関係するのが間に挿入したギヤボックスに設定された減速比 であります。その GTF のデメリットは重くなる、発熱損失が加わる(効率が落ちる)、故障の可能性が増える、騒音源が増える、などがあります。 ギヤボックスはなければないほうが良いのではありますが・・・

 さて、この流れの分岐点はもう一つあります。 むしろ、こちらの▼ほうが重要です。

 ▼ファンに分割したエネルギーである増加した低圧タービン回転数 N1 は上流の低圧段圧縮機の仕事にもつかえる
 ▼低圧段(N1)で圧縮を強化して高圧段(N2)でもさらに圧縮して燃焼効率の改善をする
 ▼燃焼効率の改善ためには高圧段(N2)の回転数も増加させている

 この条件から代替案を得ると・・・

・ 「Non-GTF」 の場合
 簡単に言えば高圧段タービンの回転数 N2 を速くして低圧段タービンの回転数 N1 を低くするバランスの中で燃焼効率を改善させる、のであります。

 ▼バイパス比を大きくするにはファンの直径を大きくする
 ▼そのエネルギーは高圧段圧縮機の駆動回転数となる高圧段タービンの回転数 N2 を速くして燃焼効率を改善する
 ▼改善された燃焼効率は N2 回転数にも使われ圧縮を強化する(これは GTF も同じ)
 ▼N2 回転数を速くすることで N1 回転数に渡す流速(温度)を下げる
 ▼ファンを駆動する N1 回転数はかなう限り小さくする。
 ▼ N1 回転数をかなう限り小さくしてもファン直径に制限ができバイパス比が制限されるその回転数とファン直径のバランスと限界に挑戦する

・ 新世代ターボ・ファン・エンジンで公表されている最大バイパス比は GTF の「P&W PurePower」で 12.5 :1Non-GTF の 「CMF LEAP」で 11 :1 であります。

・  CMF (GE-スネクマ) は「LEAP」で MRJ が採用する下位のクラスには参入する気配はない。そこでエンブラエルの新旧で比較すると GTF の「P&W PurePower」で 12 :1、と 9 :1、これに対する CMF の従来型では  5.4 :1、と 5.1 :1 であります。

・ ちなみに MRJ が採用する出力の異なる 2 種類の GTF はいずれも 9 :1であります。なお MRJ のエンジンの選び方にはエンブラエルとは異なる特徴があります。「MRJ」のカテゴリーの中に詳述してあります。

 ▼ ニュートン力学で機械効率を解析する限りではバイパス比が大きくなるとほとんど仕事効率は変わらない。
 少なくともバイパス比 8:112:1 とでは 1% の差があるかないかである。
 ▼ バイパス比 4:18:1 で比較するとかろうじて 1% あるかな、といったところであります。

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キネマ航空CEO 『GTF をまとめちゃった』 の巻

 『飛行速度を同じとすれば』高バイパス比化はファンを回す追加の燃料投入分だけ出力エネルギーの絶対値は増えている。

 ジェットライナーの『高バイパス比化は機体の重量を含む機体抵抗の絶対値に対応するため』、と考えたほうが理解しやすい。

 ・ 既存の機体によっては増えた分だけエンジンの構造自体をシュリンクさせて投入燃料を減らしエンジンの軽量化もできる。

 ・ エンジン・メーカーはそこまでの個別な忖度はしないが、航空業界の平均的な機体サイズ(クラス)に合わせた出力のラインアップをそろえたシリーズ化を実施せざるを得ない。

 ・ 機体の設計者から見ればシリーズの中のピンポイントでの企画を強いられることにもなる。
(両方やろうとしたのが ホンダ・エアクラフト・カンパニー。 成功してよかった。 エンジンは GE・ホンダ・エアロ・エンジンズ となったが、下記の夏季特集で・・・)

 ・ 新開発のエンジンの選定には機体メーカー側にエンジンに鑑識眼のあるチーフ・エンジニアの存在が必要になる。
(今のところ MRJ-90 で先陣を切る低圧段圧縮機が 3 段から 2 段構成となる 17l bs 以下の GTF については MAC から の具体的な飛行評価は発表されていない) 

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 新世代エンジンでアピールされる燃費性能の向上のポイントは圧縮機とタービンの燃焼系の更新による燃焼効率の改善とデフューザーやノズルと一体のファン効率の改善とを相乗した結果であります。

 PurePowerGTF) と LEAP の違いはファンを駆動する N1 回転数の考え方の差、高・低段圧縮機の回転数 N2N1 の使い分けの考え方の差です。

 GTF の効果については LEAP エンジンのコンセプトがリージョナル・ジェットの下位のクラスにまで影響力を持てるかどうかで見極めることになる。

 つまり、CMFP&W はリージョナル・ジェットの分野で重なる部分を持ちながら棲み分けを模索しているとも言えそうである。

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 では、なぜより小型のビジネス・ジェットで GTF が成功しているのかは簡単であります。

 小型のターボ・ジェットを効率よく安定して作動させるとジェット・ブラストは音速を大きく超える性能が得られる。

 そのエンジンを使うターボ・ファンはジェット・ブラストとファンのモーメンタム・フローの速度を音速以下で等しくさせる技術的である。

 ところがジェット・ブラストを音速以下に下げるにはかなりの高速で N1 回転数を取り出して軸出力に変えてファンにつなげる必要がある。

 そして必然的にファンの先端周速を下げるために減速ギヤ・ボックスを間に入れる必要がある。

 《初歩的な補足》 2018.08.01 追記
   ファンの駆動力として分岐する軸出力は P = 2π・n・T で表し回転数 n を含んでいる  ▼同じ軸出力 P のままでファンを回す軸力(トルク) T を大きくするには回転数 n を小さくすることで可能になる ▼ところが n を小さくするとターボ・エンジンの圧縮機の性能ひいてはエンジン自体の性能が悪化する ▼そこで n を適正に保つ為に間に入れるのがファンの回転数を小さくする減速機で GTF と呼ばれる。
   逆に見れば
▼ 減速機でファンを駆動する n を小さくすることで同じ P でも T を大きくできる ▼結果として大きなファンを回し高バイパス比化が可能になるのだが・・・そうは上手くいかないことを説明したのが当CEO の結論です ▼初期の GTF はこの理屈以前の問題のほうが大きいようです。

 簡単でしょ!減速(機)比は無きゃ無くていいんです。
 ファンが余剰出力を効率よく推力に変えてくれさえすれば。

 初期の GTF はターボ・ファンの創成期に小型のコア・ジェット・エンジンが作れなかったためです。

 現在の GTF 747A380 クラスを双発で飛ばすため ? (これはたぶん無理です)
  (推進力はファンの回転面積に比例するので現行のファン直径の1.41倍の直径が必要。)

 現在の GTF が掲げる旗印は中小型ジェット・ライナーの消費燃料削減と環境対応です。ところが・・・!

 バイパス比の増加は燃料消費の絶対量の増加を伴います。

 GTF は、コア・エンジンの小型化か、機体の大型化か、という二項問題の狭間でエンジン主導の機体を設計することになります。

 また、機体主導で GTF ではない新世代エンジンも選べるか?の問題でもあります。

  従来型を含めた三者択一で選ばざるを得ないのではありますが、この選択が機体の命運を分かつことにもなります。

 でも、先行試作機であっても、コンベンショナル・タイプと言いかえても、従来型は選べないよなぁ、圧力もあるのだろうなぁ。・・・と、当CEO の思う「ゼロの呪い」であります。

 日本だと民間主導とは言え経営陣はともかく、管轄省や外郭団体も口をだすだろうし、先決め丸投げ、だったりして・・・『チーフ・エンジニアはつらいよ』、でありましょうね。

 日本では「チーフ・エンジニア」という見識を問われる職責の権威はないようだ。 ましてや継続して研鑽を積める企業ではない業界ではね。

 一般紙で「チーフ・エンジニア 何某」 と報道されることはまずない。 社内においては重量配分、予算配分の調整役でしかないのかもしれない。

 本田技術研究所が航空機の開発具体化の初期にホンダ・エアクラフト・カンパニーをアメリカで立ち上げたのは経営者の慧眼、見識として、「チーフ・エンジニア」としてプロジェクトをけん引した藤野 道格氏と同格の敬意を払うべきと考えます。

 以上を結論として GTF の巻 の完結です。

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Honda HF120 とそのライバルたち 

  ちなみに Honda HF120 ターボ・ファン・ジェットは GTF ではなく、ファン・ブレードの前縁は新世代エンジンの定番である逆 S 字のワイドコード翼であります。

 バイパス比は 2.9 、ファン直径は公開されていないがエンジン本体の最大直径は 52.8cm となっている。 このバイパス比からは高速性能に優れていると想定できる。

 53cm弱の直径の中にターボ・プロップ・エンジンで採用されることが多い遠心式高圧段圧縮機と反転式の燃焼室を収めているコア・エンジンは極めて小さく、汎用性を目指すことなく自社開発の機体に特化したエンジンのようです。

 GTF 側のベンチマークとしてビジネス・ジェット向けで最も成功しているハネウェル TFE731 ではバイパス比は 2.28から2.8、エンジンの直径は 100cm となっています。
(大きい割にはバイパス比は低い二世代ほど古いコア・エンジン)

 このエンジンは1978年にリリースが開始され、HF120 と同様に高圧段に遠心式圧縮機を採用し反転式燃焼室など全長を詰める小型のジェット・エンジンのデファクトのレイアウトを採用しています。

  しかし、HF120 の事実上の筆頭ライバルは、やはり GTF ではないウィリアムズ FJ44 になる。 外形寸法は若干大きいがシリーズ化は進み 9 型式を数え(ファン直径で52.6cmから64cm、バイパス比 3,28: 1以上)、自家用軽量ジェットや無人機の動力源としてシェアを拡げている。
(バイパス比は 3: 1以上で現在の自家用機市場でのオルタナティブ(更新用)には使い勝手が良いエンジン。ホンダ・ジェットより大きいサイズの機体に合わせている)

 この下位シリーズには FJ33 (ファン直径 43.9cm、バイパス比 3.5: 1)もラインアップされているが採用は今のところ自家用軽量ジェットでは シーラス Vision SF50 の 1機種のみ。

 次に、このクラスで実績がある プラット・アンド・ホイットニー・カナダ PW600 (ファン直径 36.83cm から 44.7cm、バイパス比 1.83 から 2.8)が セスナ サイテーション・マスタング など小型機メーカーに喰い込んでいる。
(ほぼ HF120FJ33 と同等のサイズのエンジン。 三つ巴のライバルとなるか ?)

 Honda HF120 は正確には GE Honda HF120 で製造は GE Honda Aero Engines です。

 GE HF120 に手を伸ばしたのは P&W カナダウィリアムズ・インターナショナルには RR と大手のエンジン・メーカーの息がかかっていることによると考えられる。

 乗っ取るか、乗っ取られるか、それとも Win-Win の関係を築けるか、ホンダは唯一日本で真の航空ビジネスに参入を果たした企業といえるようです。

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ロールス・ロイスの高バイパス比化について

 基本はライバル各社と同じ高温高圧下のリーンバーン技術です。でもターゲットのバイパス比は 15:1 だそうです。

 共通するコンセプトはウルトラ・ファンと呼ぶブレードのチップ側から前進角、後退角・後退角といったいわゆる逆 S 字の前縁をもつ他社と共通する形状のファンを使用して・・・(形状は同じでも材料、工法、などに各社の特徴はあります)

1. 2軸のエンジンでは N1 で回る低圧段の新設計と燃焼系の高温高圧化の新技術を採用(大型のプライベート・ジェット向け)

2. 3軸のエンジン(圧縮段の回転数は前より低・中・高の N1N2N3)では低圧段 N1 を受け持つ軽量化材料の開発と燃焼系の高温高圧化の新技術(N1 回転数の高速化)

3. (2.)の3軸のエンジン(タービン回転数は後ろより低・中・高の N1N2N3)のうち中圧段回転数 N2 とファンの間にギヤ・ボックスを入れた GTF の採用と燃焼系の高温高圧化の新技術に加えて構造的にはよくわからないがファンが低圧段圧縮機回転数 N1 を受け持っているのかもしれない。 RR のサイトにカットアウェイ図のポスターがありダウンロードできます。

遊星ギヤボックスの構造は N1 を太陽歯車 N2 を遊星歯車キャリヤに入力し、リングギヤの合成出力回転数をファン駆動回転数 NF とする動力合成を行っていると思われる。

なお動力循環を避けるため N1N2 の回転方向は同じで NF も同じ方向となる。回転数は N2N1> NF

減速比は P&W より大きくとれるはずで、したがい歯車の負担も大きくなる。

ポスターの歯車は歯丈の低い歯型と特殊な形状の歯筋を採用しているようだ。

 2018.08.26 訂正加筆 

 RR は手堅く両方のコンセプトで段階的に開発を進めるようだ。

 これで、低(中かもしれない圧段圧縮機に可動式静止ベーンを追加すればジェット・ブラストの速度制御も可能になるのかも知れない。

 ここまでくれば既存のジェットエンジン技術のてんこ盛りになるのだが、 MMPMan Money Power:人金力 【ひとかねりょく】 企業評価に使えないかな・・・造語です)は大丈夫かな。

 なお、これらの評価にはエンジンの出口対入り口の圧力比である全圧比Overall Pressure Ratio)が使われるようだ。

 当CEO はとばしてきちゃったな。機会があればね・・・

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 RR に限らず新世代エンジンの課題は構造設計に加えて材料・素材の開発と見極めに掛かっている。

 逆に見れば他の業界(材料、素材、製法 等)の開発力と製造品質管理レベルに掛かっているリスクの多いコンセプトともとれる。

 「エンジン総合メーカーはつらいよ!」だけど、 いまは、蝶よ花よとおだてられているけれど、量産に移ると責任転嫁もされかねない「材料・部品メーカーもつらいよ!」です。

 少なくとも工学にかかわる官民の将来を預かるはずの若い学生諸子は「日本はすごい」のフェイクに近い文脈の報道に迷わされず「すごいのは自分だ」を世界の中で実証してくださるように祈っています。

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