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2012年10月13日 (土)

キネマ航空CEO 固定翼機のオスプレイはどうよ?について考える(その2)

(承前)
オスプレイは固定翼機と比較しても輸送機とすればかなりの能力を持っているといえそうである。もちろんその性能に見合ったエンジンを搭載していることは間違いない。このことは民間機とすれば大きな減点要素になるであろう。

さて固定翼機の比較に使用する指標としては次の三つが上げられる。

                           V-22           C-2A                C-23(S-330)    SC.7
                      オスプレイ    グレイハウンド    シェルパ          スカイバン
出力荷重(kg/kw)
 最大離陸重量時  11.97           13.47        21.86             15.86
 空虚重量時          6.16             7.72                  13.72              9.32
翼面荷重(kg/m2
 最大離陸重量時   729.36          377.57                273.82            161.45
 空虚重量時          398.14          216.39               171.60             94.85
アスペクト比           5.44             9.24                  12.24              11.14

・出力荷重=重量/総出力
 自動車でいうところの馬力荷重で加速力や登坂性能の指標となり小さいほど優れている。航空機では加速のほかに上昇率、上昇限度、最高速度などの指標にもなる。

ただし性能は自動車ではタイヤの摩擦係数、飛行機では推進装置の効率や機体抵抗に関係する諸元で大きく変わる。とはいえ類似する機体どうしではそれなりの比較ができる。なお、この指標自体は航空機ではあまり使われていない。

 航空機の性能を実測する場合の基準重量には規定はあるようだ。しかし注記のない限り公表された軍用機の性能の公称値の多くは空虚重量に必要最少限度の燃料を搭載して測定したものと思っていてもまちがいない。また計算値のままの可能性もなきにしもあらずであろう。

 なお外国では逆数の総出力/重量(Power to Weight:kw/kg)が使われる。こちらだと感覚的には素直に値が大きいほうが優れていることになる。軽いほうが優れているとする日本人の感覚は繊細だと言って良いのかどうか・・・(閑話休題)

軍用に開発された機種は民間用途に比べると先の推測どおりパワーはかなり大きい。特にオスプレイはそうだが、これはヘリコプター・モードのためと思われる。このあたりは回転翼機の章で比較してみる。

・翼面荷重=重量/翼面積
 一般にこれが大きいと最高速度が大きいといわれる。しかしあくまでその速度を出せるエンジンの出力があってのこと。実質は飛行機を浮かす最低限の速度の目安である。小さいほど低速で飛べる。またエンジンの高空性能に依存するが上昇限度を高くできる指標となる。

 水平に一定速で飛行しているとすると揚力(L)=機体重量(W)であり揚力の式を変形すると機速(V)は、
  V=√{(W/S)/(0.5ρgCL)}
ここで翼面積(S)、したがい翼面荷重(W/S)の関数となります。この式は翼面荷重が「大きいほどスピードが速い」ではなく「大きいほど速く飛ばないと高度を維持できない」ですね。

空気密度(ρ)と重力加速度(g)は飛行条件が同じなら定数であり、パイロットが操作できるのは揚力係数(CL)です。現在の高度でより速く飛ぶには揚力係数を小さくして(具体的には操縦桿を押したりトリム・タブを操作して水平尾翼のモーメントで機首を下げて主翼の迎え角を小さくして)出力を上げることで可能になります。

また翼面荷重は飛行時間とともに燃料を消費して小さくなるので高度を維持して同じ速度で飛ぶには揚力係数を小さくしていくことになります。

なにもしなければ機体は徐々に上昇して空気密度が減少し高度と速度で釣り合いながら変化して行きます。ジェットライナーでは(管制承認は必要ですが)行程の半ばで高度を上げて空気密度を下げることで一定速を維持することも可能ですね。

高度が上がると空気抵抗も小さくなるので燃料消費とのトレード・オフで迎え角を少し下げて巡航速度を上げたりの選択もできます。

空気が薄くなるとエンジンの性能は低下するはずですがジェット・エンジンでは高速で回転しているコンプレッサー段で空気が圧縮されて(吸入空気密度が上がる過給をされて)いるので性能への影響はほとんどないのですね。(閑話休題)

固定翼機を浮揚させる速度を具体的に計算する条件はフラップなどの高揚力装置は使わないでかつ機体は極端な迎え角をとらずほぼ水平で浮揚している状態とします。

フラップなどの高揚力装置を作動させると揚力を高める効果と同時に抵抗も大きくなります。すなわち安定して飛行できる速度までの加速が苦しくなります。オスプレイの動画を見ても固定翼機モードに達した時点ではフラッペロンの角度は0度となっているようです。

標準的な定数として、ρ 空気密度:0.3125kg/m3、 g 重力加速度:9.8m/s2(質量を重量に換算する定数)、CL 揚力係数:0.6(迎え角によって異なるが水平飛行ではこのあたりが使われる)を使用すると先の浮揚速度の式を時速に変換すると V=3.76√(W/S) km/h となる。

                            V-22            C-2A                C-23(S-330)     SC.7
                            オスプレイ     グレイハウンド    シェルパ          スカイバン
浮揚速度(km/h)
 最大離陸重量時   101.4             73.0                  62.1                47.7
 空虚重量時          74.9              55.3                  49.2                36.6

空虚重量で飛ぶことはありません。それに近い状態での飛行はあるはずですので計算してみました。
いずれにせよ現実にはこれら数字は具体的な意味はありません。

たとえば15度バンクしたとすると揚力は翼の平面に直角に働きますが重力の方向は変わりません。したがい機体重量と釣り合う揚力の分力はCOS15゜(=0.966)倍に減少します。揚力は速度の二乗に比例していますからその逆数の平方根、約1.017倍のスピードが得られないと高度は維持できません。

また旋回を始めると遠心力と重力の合力に等しい揚力が必要になります。ようするに、この浮揚速度での操舵は非常に危険です。

さてカタログではオスプレイの固定翼機と回転翼機の両モードの飛行が可能な速度範囲は148-222km/hとなっています。

どうやら固定翼機としての浮揚速度の2倍の範囲で遷移モードを完了させるようです。おそらく離着陸時重量から得られる浮揚速度の1.5倍前後が固定翼機モード開始の機速となると思われます。

いずれにせよ低速時の航空機にとっては外乱に対して厳しい条件下の飛行になります。たとえば風速10メートルの突風というと10m/sのことですから航空機に対しては36km/hの突風に相当します。

気象用語では風速ではなく相等風力(開けた平らな土地で地上10mの高さでの10分間の平均風速が使われます。外乱となる突風すなわち瞬間風速は相当風力の1.5ないし2倍以上になることもあります。このあたりは遷移モードの回に検討してみます。

オスプレイはベンチマークの固定翼機よりかなりの高速で飛行する必要があります。ではでその浮揚速度以下を固定翼モードで飛行する場合はというと滑空着陸時となります。

この場合はほぼ翼の全長にあるフラッペロンを下げて揚力係数CLと抵抗係数CDを大きくします。つまり揚力を保持してする速度を下げるのですが接地速度はベンチマーク機よりかなり大きいと推定できます。

テストはされているとは思いますが気になる点は最初に接地するのは長大なプロップ・ローターです。これは機体重心より前にありますから先端が接地した時点で機体はつんのめり機首から地面に突っ込むことになると考えられます。このためかどうか開発過程で機首周りの対衝撃強度の設計変更があったようです。

場外着陸時の横方向への加害要因はベンチマーク機の翼幅と比べると大差ないと思われます。またプロップ・ローターは機体への衝撃緩和のために破損をしやすくしていると考えられます。

通常の滑空着陸の手順ではプロップ・ローターは抵抗を減らすためフェザーリングで回転していない、もしくは低回転でと想像できますが動力滑空で回転させている場合にはプロップ・ローターの破片が飛散する範囲はプロペラが接地することはない高翼型のベンチマーク機よりかなり広いと思われます。

(アスペクト比に続く)

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