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2012年11月13日 (火)

キネマ航空CEO 回転翼機のオスプレイはどうなのよ?(その3) ・・・スラスト・ベクタリング機といったほうが・・・について考える(その2)

 当オフィスへのご来訪ありがとうございます。

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 オスプレイのヨー制御は本稿で説明されたツイン・ローター・システムのヘリコとは異なり、スウォッシュ・プレートの差動ではなくエンジン・ナセルのティルトの差動、(たとえば右ラダー・ペダルを踏み込み右翼側を後傾、左翼側を前傾させるメカニズムで)おこなうのではとの指摘がありました。

 明記された資料を探しています。ご教示いただけるとさいわいです。

キネマ航空CEO

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 オスプレイの話に早く入りたいのですが、今回もヘリコのコントロールの話が主になりました。次回予定のヘリコ・モードのオスプレイを理解するには欠かせませんのでお付き合い下さい。

------------以下の本文は外部読者による校正中です---------

 ヘリコの操縦のはなしに移ります。主にメインローターについてです。先回の復習と多少の追加です。 Main_rotor_schematic

 まずは復習から。

 ローターのブレードは遠心力と揚力で起き上がり円錐状になる。

 ブレードの先端が描く円錐の底面をチップ・パス・プレーンと呼ぶ。

 ローターの推力はそのプレーンの中心に直角な方向に発生する。

 以上の仮定のもとで、ヘリコの操縦はスウォッシュ・プレートを傾けて推力を上向きの揚力と水平の推進力に分けることをコントロールする、ということでありました。

 ところが回転するコマと同様にヘリコのローターには「物体が自転運動をすると姿勢を乱されにくくなる」というジャイロ効果が現れます。

 そのジャイロ効果とは次の性質をさしています。

 1. 外部から自転軸を回すようなモーメントが加わっていないかぎり自転軸の方向を保つ性質

 2. 自転の角運動量が大きいほど姿勢を変えにくい性質

 3. 外部から自転軸を回すようにモーメントがはたらくと、加えられているモーメントの軸及び自転軸と直交する軸について振れ回り運動をする性質

 ということで、ローター軸を倒してピッチ・パス・プレーンを傾斜させるにも工夫が必要です。

 まずピッチ・パス・プレーンを前傾させる場合。Photo

 図はローターを上から見ており、左が機体の前方となります。ローターは時計回りですからフランス系のヘリコの場合ですね。

 アメリカ系は反時計回りですが、オスプレイの左ローターはこの方向に回転しています。

 先のジャイロ効果の三番目はジャイロスコピック・プリセッションと呼ばれています。

 回転する物体の回転軸をある方向に倒そうと力(モーメント)を加えるとその軸は回転する方向の90度先の方向に倒れる。

  という性質があるので、スウォッシュ・プレートの動きはサイクリック・ピッチ・コントロール・レバーの動きに対してローターの回転で90度遅れた位置に対応しています。

厳密にいえばヘリコの場合は空中に浮いた機体を操縦(制御)するのですからこの物理法則からの類推がすべてではありません。イメージとしてお読みください。

 こうした場合、時計表示が便利ですね。たとえばレバーを右前45度に倒したとすると1時30分の方向となりスウォッシュ・プレートは10時30分の位置が上昇するように設計されます。ローターの回転がアメリカ式の場合は4時30分の位置となります。

 この理屈でヘリコプターはホバリングの静止状態の機体をあらゆる水平方向に移動することができます。図の状態はフランス系のヘリコが前進する場合を示しています。

Corrective_pitch_control 次に機体を上昇下降させるコレクティブ・ピッチの場合は位相は関係なくスウォッシュ・プレート全体を上下させるだけでおこなえます。

 機体を昇降させる操作にはパワーの制御が密接にかかわっており、レバーの先端にはパワー・コントロール・グリップが併置されて同時に操作できる構造です。

 この方法はベル・ヘリコプター社が始めました。ところがデファクト・スタンダードとまではならず、ヨーロッパ、<フランスのことです>はヘッド・コンソールの中央にスラスト・コントロール・レバーとして配置しました。

 推測ですがターボ・エンジンを載せたヘリコを最初に量産化したのはフランスでした。おそらくレシプロ・エンジンに比べタイムラグのある出力をいっしょにコントロールするよりブレード・ピッチの制御に集中させるためではないでしょうか。この当時からエンジン出力制御を自動化していたのかも知れませんが・・・(恒例の閑話休題)

 さて、上昇するにはパワー・グリップをひねりエンジンの出力を高めてコレクティブ・ピッチ・コントロール・レバーを引きます。下降はレバーを下げ、パワー・グリップを弛めることでおこなえます。

 なお、オスプレイではTCLレバー(Thrust Control Lever)と呼びエンジン出力の制御と連動してブレードのピッチを自動的に最適制御しているようです。またエンジン・ナセル角度の調節ノブがこのTCLレバー上に設けられています。

 次に機体を水平に回頭(ヨー)させるにはシングル・ローターのヘリコではラダー・ペダルがテール・ローターを独立して制御をおこないます。(テール・ローターのピッチを増減しているのですが詳細は省略します)

 しかしツイン・ローターでは前後のチップ・パス・プレーンを逆位相に操作することで制御します。

Twin_rotor_control  この操作はシングル・ローター機と同様にラダー・ペタルでおこないます。

 ところが、直接ブレードを動かすスウォッシュ・プレートでは前後左右の横移動をおこなうサイクリック・ピッチ・コントロール・レバーでおこなう同位相の動きと競合(Conflict)します。

 そこでレバーとペダルの操作量がミキシング・ユニットで合成されて それぞれのスウォッシュ・プレートに必要な動作量を伝えます。

 ツイン・ローター機は日本では民間機としては運用されていないせいか操縦法については今ひとつ分からないところがあります。

 たとえば本来ならコレクティブ・ピッチ・レバーがおこなうスウォッシュ・プレートを傾けずにおこなう操作をサイクリック・ピッチ・コントロール・レバーで二つのローターを差Twin_rotor_control_2動させることで、タンデム機ならピッチ変更の、サイド・バイ・サイド機ならロール変更の、機動をおこなうようです。

 サイド・バイ・サイドのオスプレイの場合、サイクリック・ピッチ・コントロール・レバーを右に倒して右ローターのスウォッシュ・プレートを下げてブレードの迎え角を減じて揚力を減らし、左ローターは逆の動きで揚力を増して重心回りの右ロールをつくります。

 このとき減らした揚力と増えた揚力が同じであれば機体の機体重量と揚力はつりあっており高度が変わることはありません。(厳密には傾斜により減少した鉛直方向の分力を補填するローター推力の上昇が必要ですが)

 理屈はいいのですが、この場合は同じサイクリック・ピッチ・コントロール・レバーでチップ・パス・プレーンを傾けておこなうと思われる横(もしくは前後)移動と競合(Conflict)しています。

 基本的にはロール(またはピッチ)が所定の傾斜になったところでレバーを中立に戻し二つのローター推力をそろえて傾斜した方向の水平分力で横(または前後)移動するということになるようです。

 さて、設計の古いシーナイトやチヌークではたくさんのロッドやリンクで構成された複雑な機構を使ってレバーやペダルの動きが合成されてスウォッシュ・プレートの下側(機体に固定された側)、を押したり引いたりする動作として伝えられているはずです。(図では四箇所を示していますが均等にという意図です・・・念のため)

 しかし、オスプレイでは操縦装置と電線でつながれたコンピュータが配分を決めてエンジン・ナセルにあるスウォッシュ・プレートの油圧アクチュエータに電気信号を送っています。

【ヘリコプターのまとめ】

 ヘリコプターの飛行は以上のようにローター・ブレードの迎え角の増減でチップ・パス・プレーンの傾きのコントロールとエンジン出力を増減する操作でおこないます。

 パイロットはチップ・パス・プレーンと呼ぶ空飛ぶ円盤の下にぶら下がっている機体のなかでこの円盤を操作しています。

 世が世であればヘリコは「フライング・ソーサー・ウイズ・スインギング・キャビン(FSSC)」と物理的に正しく呼ばれていたかもしれませんね・・・えっ?閑話休題が多すぎる・・・

 空中に浮かぶ物体の動きにはピッチ(機首の上下)、ロール(左右への傾斜)とヨー(機首の首振り)の三軸と前後、左右、上下の三方向への平行移動があります。

 シングル・ローター・ヘリコの場合ではパイロットが直接的に「機体の姿勢」に関われるのはヨー操作のみであり、(もちろんパイロットもひきがねとして関わってはいますが)ピッチとロールの機体の姿勢は成り行きできまります。

 たとえばサイクリック・ピッチ・コントロール・レバーを前に倒してピッチ・パス・プレーンを前傾させようとすると、ジャイロ効果で前傾状態になる前に機体側のピッチが機首上げとなってピッチ・パス・プレーンが前傾し始めると機体のピッチもそのときの重心位置や機体抵抗につりあう姿勢に落ち着くことになる。

 ツイン・ローター・ヘリコではヨー操作に加えてタンデム機ではピッチ操作が、サイド・バイ・サイド機ではロール操作が、直接的にパイロットの関われる姿勢に加わります。言い換えれば、ツイン・ローター・ヘリコではローター配置の違いで、それぞれロールあるいはピッチの姿勢は成り行きとなります。

 ツイン・ローター機は三軸三方向の自由度のうち二軸の姿勢のコントロールを手に入れました。

 シングル・ローターであれツイン・ローターであれ、ヘリコはこの三軸の変化で三方向の移動がおこなわれます。
(続く)

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 ヘリコと固定翼機は地上では二輪車と四輪車のような根本的な違いがあります。ではオスプレイは三輪車かというと、それは違うようです。

 さて、ジャイロスコピック・プリセッションはプロペラ機でも起こります。第一次大戦中のラジアル(星型)・シリンダー・ロータリー・エンジンなどはかなり強烈だったと想像できます。リヒトフォーフェンなどの撃墜王はこの特性を巧みに利用していたと思われます。

 また第二次大戦の零戦の坂井中尉のひねりこみもこれを利用する操舵をしながら巧みな翼端失速で小さな旋回半径を可能にして敵機の後をとったようです。

 高速回転のジェット・エンジンでも起こっているはずですが機体が高速で飛行するため旋回半径が大きく、エンジンにプリセッションが生じるほどのモーメントが発生しないのであまり問題にはされないようです。(閑話休題)

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 次回はこれらのヘリコ特有のコントロールについて前回予告していたオート・ローテーションも含めてオスプレイを見ていきましょう。交互機体(学習能力のないIMEだなー)・・・

 学習能力のないのはお前ですって?いずれにせよ、乞うご期待!

 なお。ヘリコには前進飛行時の問題として
  ①後向きブレードの翼端失速
  ②後向きブレードの付根の逆流
  ③前向きブレード翼端の音速接近

 特に下降中の
  ④ブレード翼端に生じるボルテックス・リング
  ⑤ブレード翼根に生じるセットリング・ウイズ・パワー

 などがありますが、オスプレイの構造とのかかわりはその後で、としましょう。
 

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