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2014年4月20日 (日)

キネマ航空CEO セトリング・ウィズ・パワーについて考える。(その3の続き)

公開校正およびレイアウト調整中です。

先回と同じオスプレイのボルテックス・リング・ステートのテスト結果です。左クリックで拡大できます。

Vrs_v22

さて、先回の残りの NATOPS Limit から始めましょう。

何にこの制限を使うのか、といえば機体を下降させるときにボルテックス・リング・ステートに陥らないように降下率と水平速度の関係を変化させながら操縦する指標として・・・です。

・・・といっても、いざその時に指を舐めながらめくるチャートでは無く、身体や感覚に埋め込むための習得訓練時にたたき込まれます。

いっぽう単なる航空機ファンとしては、普通のヘリコが減速しながら下降する着陸時の降下角と比較してオスプレイの設計仕様を決めた根拠の想像に使えます。

上空から見たヘリコの着陸経路は、基本的には固定翼機のそれと同じです。

まず固定翼機の場合で見ていくと目視着陸を前提に滑走路を一辺の一部とする長方形のトラフィック・パターンがあります。(日本語では(飛行)場周(回)経路です。長方形といっても各コーナーを直角に折れ曲がるような旋回をするわけではありません・・・念のために)

トラフィック・パターン」は目視飛行における飛行場周辺の交通管制上のルールですが、小型機にとっては周辺の風などの影響を確認する時間といった意味もありそうです。

離陸する滑走路は風上に向かっています。この方向が「アップウィンド・レグ」。レグは幾何学上の区切りのある直線『辺』とか航海用語として『行(航)程』を指している。

言うまでもなく滑走路が常に風上に向かっていることはない。主たる風向で「アップウィンド・レグ」に選ばれる。横風になると着地直前まで機首を風上側に少し振って機速と風速が合成された進入経路を滑走路に向けて直進させる。

ヘリコも同じパターンに乗るが、救急ヘリコを見ていると他のトラフィックがないヘリポートなどでは着陸点を中心に円を描いた周回後に風下の方向から風に向かい進入する場合が多いようだ。

さて、周回ですから右(時計)回りと左(反時計)回りがあります。通常では(固定翼機の機長が滑走路を目視しやすい)左側へ90度旋回すると「クロスウィンド・レグ」。(ちなみにヘリコの機長席はロシアを除き右側が多い)

そこから旋回するごとに「ダウンウィンド・レグ」、「ベース・レグ」、そして最後に旋回して滑走路に向かうと着陸する場合は「ファイナル・アプローチ)」と呼び、上空を通過する場合は「アップウィンド・レグ」にもどります。なお、右旋回でも呼び名は変わりません。

いずれにせよ、低速で飛ぶ飛行機にとって、風が重要なことを示しているようです。

着陸時に、このトラフィック・パターンにのるには、・・・
斜めに「ダウンウィンド・レグ」に入る「45°エントリー」、
直進で「ベース・レグ」にのる「ダイレクト・ベース」、
直接に「ファイナル・アプローチ」にのる「ストレート・イン
・・・があります。
(離陸にも同様にトラフィック・パターンから脱する方法がありますが、それは省略)

固定翼機のファイナル・アプローチにおける進入角度は となっています
念のため進入角度は飛行機の重心の経路であり機体の前後の傾斜(ピッチ)角ではありません。
 

さて、ヘリコには多くの着陸進入方法があります。以下の着陸進入状況はトラフィック・パターン上では、ベース・レグから 90°の旋回をし終ったところ、あるいは、ストレート・インのまま、ファイナル・アプローチに乗ったところから始まります。

・普通進入(Normal Approach)
 文字通り普通に使われる進入方法です。直接地面に降りるのではなく、着陸点(たとえば○にHのマーク)上の 4 乃至 5 フィート( 1.2 から 1.5 メートル)上空でホバリングできるように、速度はサイクリック・ピッチ・レバーで、降下率はコレクティブ・ピッチ・レバーで、と二つの操作を組み合わせて降下角を調節しながら行われます。ラダーペダルを使った横風進入の場合はホバリング時に風に正対するように向きを変えて着陸します。

 このときの進入角度は機種により から 12°で行われます。固定翼機より急角度ですね。

・急角度進入(Steep Approach)               
 着陸点の手前に普通進入だと障害になる地形や樹木、建物などがある場合に障害物の上端から 50 フィート( 15 メートル)の高度までは普通進入の要領で降下し・・・

 この高度50フィートの位置は固定翼機の性能の一つである着陸距離の始点となるところで、ここから機体が停止したところまでがその機の着陸距離となる。ヘリコもこれを援用もしくは準拠したと思われる。

 ・・・で、そこから 15°から 20°の急角度降下に移り、普通進入より低速かつ降下速度を抑えてボルテックス・リングに陥らぬように飛行し、ホバリング高度に向かい以降の操作に入る。

・緩角度進入(Shallow Approach)
 車輪のついたヘリコの滑走着陸(Running Landing)で使われることが多い。

 ホバリングをしないで固定翼機のように接地を行うため、降下角は普通進入より浅く進入角度は程度で接地時の衝撃を和らげます。横風着陸の場合は着地と同時に機首を滑走路の方向に向けます。 
このときは地面効果のほかに機速による揚力も使っています。「キネマ航空CEO プロペラの勉強をする」を参照。

・高速進入/急停止着陸(Hi Speed Approach/Quik Stop Landing)
 巡航速度並みの高速で緩角度進入と同じく 程度の緩降下で進入するが着陸点の手前で機首(すなわちローターも)をあげて抵抗で減速しながらそのまま水平に移動して着陸点の手前で機首を水平に戻しホバリング高度まで下降して風上に向きを変えて着陸する。

以上は空港、ヘリ・ポートなどで行われる。なかでも下の二つは機速を早めることで強い横風の場合の着陸対応法の一つでもあります。そのほかには・・・

・不整地着陸(Strange Field Landing)
 ビルや樹木など障害物に囲まれた場所、山頂やビルの屋上などのプラットフォーム、傾斜面、谷間や堤防の蔭、などなどトラフィック・パターン外の着陸。(普通にヘリコプターならできるとされている着陸ですが特殊な操縦技能に分類されます)

・オートローテーション着陸(Autorotation Landing)
 緊急時の着陸で、最終段階では、高速進入/急停止着陸、もしくは、緩角度進入の要領で着陸する。

余談ながら、加藤寛一郎氏の「飛行の神髄 (1993) 講談社」 には螺旋急降下着陸(Helical Diving Landing ?) という荒業が出てくる。

・・・などがある。離陸にも同様の条件下での方式がありますが省略します。

すべての着陸において、パイロットにはボルテックス・リング・ステートのチャート(速度と降下率)と H-V 線図(高度と速度)の二つに許容された範囲での操縦が要求される。

その陰に示されているのは、低速で飛ぶヘリコの操縦には風(強さと方向とその変化)への対応が人間に任されているということです。
(これは固定翼機でも同じですが離着陸速度が大きいことがヘリコとの最大の相違点です。)

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以上よりオスプレイのボルテックス・リング・ステートの実験結果のチャートにあるNATOPSによる降下角 12°の制限は一般的に行われるヘリコプターの着陸方式の条件を満たしているようです。

オスプレイがボルテックス・リング・ステートに陥る前に「軽度の乱気流」のある範囲に接する降下角度は シー・レンジャーベル206)と同じ 30°です。

いっぽう、オスプレイにはNATOPS」の制限と「軽度の乱気流」の境界との間にある緑色の線があります。「推力変動(を感じ始める)境界線」ですが、これは急角度進入着陸の最終降下角度約 20°に接しています。

しかし、シー・レンジャーにはありません。なぜ、何ゆえ?!

NATOPS」の制限の水平部分と緑の線については、長くなったのでまた次回にということで・・・(その3の続きの続き)に突入のこころだー

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