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2014年10月 8日 (水)

キネマ航空CEO シングル・エンジン・オペレーションのオスプレイの駆動系を観察する

さて、いよいよ片肺飛行です。といっても固定翼機のプロペラと違ってヘリコではすべてのローターが翼ですから回転し続けなければ揚力はつくれず、舵も利きません。ヘリコ・モードのオスプレイも同じです。

今回は、チヌークとは決定的に異なるスラスト・ベクター機としてのオスプレイの駆動系の設計意図について観察します。

1eng前回の ツー・エンジン・オペレーション と同じような図ですが、#2(右) ENGINE の回転数は 0 rpm 、つまりエンジンは停止しています。

各部位の略号は、その 前回 に記憶していただいたので省略して細部を見ていきます。

PRGB のギヤ・レシオは自動車のトランスミッションと違って、変えようがない。PRTR を効率よく使う回転数も変わらない・・・ので ENGINE の回転数はツー・エンジン・オペレーションと変わらない。したがい PMDS ICDS の回転数もそれぞれに同じである。

ジェット・エンジンは基本的に回転数は一定で、負荷に応じて燃やす燃料の量を変えて出力(hp)を調整している。出力を下げるため燃料を少なくする場合は最大回転数のパーセントで回転数を管理する)

オスプレイも、シングル・エンジン・オペレーションでは、同じ回転数のままで ENGINE 出力を、 6,200 hp として、定格出力 5,223 hp118.7 %977 hp )の連続緊急出力にしている。

では、この緊急出力はどう伝わるのか・・・書き直した下の図に移ります。赤い字の #2 (右) ENGINE が駆動系から切り離されて、動力の流れを示す矢印が#2 (右) PRTR に流れています。

Single_engine_operation_rev1b
この図のスプラグ・クラッチの位置については 前々回の機能説明 に沿った説明用です。本当にこの位置にあるのかどうかは不明です。詳細は次回に。

#1 (左) PRTR への出力と PMDS への出力を合計すると 6,038 hp で、 #1 PRGB の効率は 0.97 となる。ツー・ローター・オペレーションで計算した値より 1 %ほどよい効率となっている。

同様に計算した #2 (右) PRGB の効率は 0.96 となっている。この値はツー・エンジン・オペレーションの効率と同じである。

#1 (左)と異なるが、このあたりは計算誤差(たとえば kw から hp などの換算時)として 0.96 に統一しても問題はないだろう。

左右のローターの消費動力は同じなので左の PMDS #1 の出力と右の PMDS #2 の入力差の 947 hpTAGB #1, 2 / ICDS x 2 /MWGB の効率損失と各 ACC の消費動力となる。

MWGB への入力は、前回のツー・エンジン・オペレーションでは左右の ENGINE からの合計で、0.96 x 2 x 511- A ) hp だった。

今回のシングル・エンジン・オペレーションでは、 MWGB の入力は、喪失した側の PRTR に向かう動力から分岐される。

したがい、この図から MWGB への入力を計算すると、{ 0.96 x ( 3,550 - A ) - (2,603 + A ) / 0.96 } hp となる。

式中、 0.96 は、仮のTAGB の伝達効率、 A は、TAGB に付属する ACC の消費動力。(詳しくは一番下から二番目の章立てを読んでね)

二つエンジン・オペレーションでの式を計算して(かなり大胆に)丸めて並べると、 ( 981 - 2 x A ) hp( 697 - 2 x A ) hp になる。 両式の差は、284 hp で、シングル・エンジン・オペレーションのほうが小さい。

シングル・エンジン・オペレーションでは、 MWBG に直接入力される APU の出力 300 hp で補完されて (997 - 2 x A ) で不足分がカバーされる・・・と考えられる。

また、シングル・エンジン・オペレーションの遷移モードでは PMDS4,350 hp の出力が伝達されている。これにローターの出力を加えると 6,838 hp となり、連続緊急出力よりさらに 800 hp 多くなっている。

PRGB の効率 0.96 を使ってエンジン出力に戻すと 7,050 hp となる。この値は定格出力135 %となり短時間緊急出力として運用するようだが、どのように使われるのかよく分からないが・・・

その状況を、元の図から得られる情報だけで考えると、シングル・エンジン・オペレーションで、左右のナセルを固定翼機モードから回転翼機モードへティルトさせる動力を作るため MWGB に連結された ACC が一時的に必要とする入力を確保するためのようだ。

短時間緊急出力時MWGB 入力を計算すると、{ 0.96 x ( 4,350 - A ) - (2,603 + A ) / 0.96 } hp 、の計算結果を丸めて ( 1,465 - 2 x A ) hp となる。

この値はツー・エンジン・オペレーション時に APU の出力 300 hp を加算した場合の (1,281 - 2 x A ) hp と等価と考えられる。

(短時間といっても、何しろジャイロ効果で動こうとしない PRTR を無理やり起こし、かつ反力による機体のピッチ挙動<固定翼機モードへは上げ、ヘリコ・モードへは下げ>を抑えながらだから・・・それなりの時間はかかるけど・・さらにつけ加えればティルトによるトルク反力は水平尾翼の揚力の制御で釣合わされる。つまり低速では行えない。)

試乗記(全てではないけれど)を読んでもはっきりしないが、ツー・エンジン・オペレーションで最大積載状態の離陸をする場合は、始動時のまま APU の運転を続けている可能性がある。

いっぽう、軽積載の離陸や燃料消費後に機体重量が軽くなった状況での着陸であれば APU を使わなくても ENGINE(s) の余力でナセルをチルトできるのでは・・・と考えられる・・・)

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これらから、ツー・エンジン・オペレーションのオスプレイの固定翼機モードの飛行では APU を使用していない・・・

しかし、エンジン一基の出力を失ったシングル・エンジン・オペレーションで、同じ状況の飛行をする場合には APU を作動させている。

その理由は高高度飛行時に必要な MWGB から駆動される機内環境機器に必要な動力を得るためと考えられる。したがい、低高度では、 APU は必要ない・・・と思われる。

135 % の短時間緊急出力を使うシングル・エンジン・オペレーションでの遷移飛行は、着陸進入降下時に固定翼モードから回転翼モードへの転換をおこなって、緩角度進入(Shallow Approach)による接地をおこなうためと考えられる。

すなわち、最悪でも PRTR のブレード先端が地面(願わくば滑走路)に接触しないような、ある角度(不明)以上の遷移モード、あるいは回転翼機モードにまでナセルをティルト・アップするためと考えられる。

同時に、遷移モードではフラップ(正確にはフラッペロン)を適切な角度に下げてキャンバを増やした主翼にプロペラ後流を当て、揚力を向上させる、固定翼機でいうバック・サイトでの揚力、を確保する。(バック・サイト : 高揚力装置と大動力に頼って低速側でおこなう飛行域。新明和 US-1、US-2 の離着水時に行われている)

・・・と同時に傾斜したローターとして得られる推力の上向き分力を揚力として使うためと考えられる。

いい換えると、オスプレイは、翼面荷重がどうのといわれるが基本的にヘリコ・モードより固定翼機モードのほうが効率よく飛行できる。

遷移モードの飛行制限速度の範囲は機体重量により 148-222 km/h となっている。シングル・エンジン・オペレーションでもこの速度は出せる。

類似の固定翼機と比べると速い着陸速度になるが遷移モードでの滑走着陸のほうが選ばれると考えられる。

いずれにせよオスプレイAPU はスラスト・ベクタリング機の緊急時のシステムに組み込まれており、遷移モードにおいての対応は固定翼機の緊急着陸と同じ扱いと思われる。これらの作動がコンピュータ制御で行われるのかどうかは定かではない

さて、回転翼機モードでの緊急時の状況もこれらの数字から推定は可能だがそれは別の機会に。

ちなみに、シングル・エンジン・オペレーションで使われる二つの緊急時出力(定格の 120 %135 % )をツー・エンジン・オペレーションに適用すると、それぞれ ( 2,819 - 2 x A ) hp ( 4,355 - 2 x A ) hp になり MWGB 入力とすると過大すぎる。

この場合は、 PRTR 側に供給されて軍用機として(時間制限のある)機動に使われる可能性が高い。
(ただしヘリコプターの離着陸を観察していればわかるが、オスプレイといえども低速の VTOLでは軍事的に有効な力まかせの機動といえるような効果は出せないと考えられる)

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さて、 TAGB で駆動される ACC の消費馬力 A hp は、あらゆる飛行モードでいつも同じ値とは考えられない。参考資料もなく、変数 A のままにしておきます。

TAGB の効率も PRGB で算出した 0.96 を使ったが実際は効率の悪い傘歯車を使っており、もっと低い(0.9 前後 ? の)はず・・・です。

しかし、 ACC の消費馬力 A hp など未知数のままので、便宜上 PRGB と同じ値にしました。(効率は 1 としてもよかったのだけど、どんな機械にも損失があることを示しておきたかった・・・混乱させたなら、ゴメンナサイ)

APU の出力から推測すると、 始動時には、揚力を発生させないブレードのピッチで PRTR が一定速度の回転(空転)をしていると仮定すれば・・・

オスプレイ一機の MWGB 分を含めたすべての ACC の駆動馬力と PRGB を含むすべてのギヤボックスの発熱に相当する損失馬力の合計は最大で 300 hp と考えられる。

二つのエンジンが停止すれば、これがオートローテーションに入るべき PRTR にかかる抵抗になるはずなんだけど・・・

ACC から供給される操縦に必要な動力は搭載している蓄電池や蓄圧機でカバーできるかもしれないし・・・
二つの ENGINE 出力を失っても APU は生きている可能性が高いと思われ・・・
不用不急の発電機、油圧、空気圧のポンプなどの ACC は回路を切断または調整されて抵抗を最小限にした空回り状態にすると考えられ・・・

つまり、 300 hp がそのまま PRTR の回転抵抗になるとは考えにくい。

と、なれば APU は、 PRTR の回転を続けさせる補助動力にもなる・・・
そうなれば、セミ-オートローテーションができる・・・可能性も残されている。

もちろん、これらのマシン・サイドのシステムの作動がコンピュータ制御で行われるのかどうかは定かではない。

ただ、オート・ローテーションを継続させがたい形状の PRTR ではあるが、それで騒がれた割には、そうなる前にカバーする手順は設計的にはいろいろと考えられているようだ・・・が、専門誌も新聞も技術的な調査報道はしていない。(あるようだと、ご面倒ながらコメントで知見をご教示ください)

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次回は、チヌークの、ツーも、シングルも、オペレーション全部ひっくるめて観察してオスプレイの疑問点を振り返るのココロだー! 

でも資料があるかな ? なければ寄せ集めからの独断だ !

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