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2014年10月23日 (木)

キネマ航空CEO オスプレイとチヌークのエンジンを比較する

チヌークの観察に入る前に、オスプレイで使ったエンジンの馬力などのスペックは正しいのか、をチヌークと併記して比較検証をしてみます。 

オスプレイの場合はメーカーのロールス・ロイスのサイトにはたいしたデータがなく、駆動系のスケルトン図に添えられていたデータを採用し、チヌークではメーカーのサイトのデータを使用しました。

とりあえずは以下の表のようになります。

オスプレイの軸馬力(Shaft Horsepower )と離昇(Takeoff )馬力は、チヌークでは中間(Intermediate )最大馬力と最大(Maximum )馬力に相当しているようです。

オスプレイのツー・エンジン・オペレーションで使われた 5,223 hp は、チヌークの連続最大(Max. Continuous )馬力に当たり、シングル・エンジン・オペレーションの遷移モードで使われる 6,838 hp はチヌークでは不測時対応(Contingency )出力に相当するようです。

ただし比較するといっても、高度や温度、湿度などの空気密度に関係する諸条件が異なっているので絶対値の比較にはなりません。

また、連続出力を越えた出力には運転時間の制限が必要ですがオスプレイでも同じ条件で設定されているのかどうかも、はっきりしていません。

結論から言えばここに示したデータにも、(メーカーの測定方法や公表方法に加えて、時期の差、受け取ったメディア側の数値の丸めや背景の省略、等々で)いろんな数値があり、どれが正しいのかは、わからない・・・が正解のようです。

Engine for OSPREY for CHINOOK
Exterior View Ae_1107c T55l714
Type Rolls-Royce
T-406
Haneywell
T55-L-714A
Specifications
Contingency 5,069 shp (2 min) SL,59 F
4,000 shp 4,000 ft/95 F
Takeoff 6,380 shp (SL,103 F)
Maximum 4,867 shp (10 min) SL,59 F
3,750 shp 4,000 ft/95 F
Shaft Horsepower 6,150 shp
Intermediate 4,527 shp SL,59 F
3,350 shp 4,000 ft/95 F
Max. Continuous 4,168 shp SL,59 F
3,000 shp 4,000 ft/95 F
OEI 3,584 shp (SL, 90 F)
One Engine Inoperative Cruise (20k, 0.55 Mn)
Length 77.1 in (1,958 mm) 47.1 in (1,196.3 mm)*
Width 28.8 in (732 mm) 24.25 in (615.9 mm) Dia.
Height 34.9 in (886 mm)
Weight 971 lbs/440 kg (dry) 830 lb/377 kg*
*w/o tailpipe
Max Turbine Temp 2,200 F
Power Turbine Speed
15,000 rpm (V-22 hover)
12,750 rpm (V-22 cruise)
(N1) 18,720 rpm
(N2) 15,333 rpm
Attitudes
Pitch +110, -90
Roll 55
Applications Osprey CH-47 Chinook
Bell 309

写真の状態は、実装時に必要なテール・パイプ(軍用では必須のIR サプレッサー赤外線減衰排気管)や前方のコンプレッサーの吸気口の前にある遠心式防塵フィルターは付いていません。これらは性能測定時にも装着されてないと思われます。

写真では左側(エンジン前方)にある円筒状の部分は回転しません。オスプレイではプロップ・ローター・ギヤボックスに連結する支柱、チヌークではエンジン・ギヤボックスの台座です。駆動(出力)軸は中央の穴の奥にあります。

用語を補足すると SL (Sea Level)は海面高度、shp (Shaft Horsepower) は軸馬力、OEI は単発運行不能(One Engine Inoperative )馬力。F は温度の単位で華氏(Fahrenheit)表示。

OEI は双発以上の機体が単発で飛行する場合、飛行を維持できなくなる馬力らしい。オスプレイの場合、(たぶん定格)軸出力の60%に相当するようだ。

ただし、付随する数値の単位がよく分からない。0.55Mn(ノーチカルマイル ? )は許容飛行距離で1km程度か・・・20kが ft 単位の高度とすると6,000mとなり・・・降下角80.5度のオートローテーションではない飛行状態で緊急着陸できる出力・・・となるが・・・(この解釈は今のところ閑話どころか当てずっぽ、です)

チヌークのパワー・タービン・スピードの(N1) はコンプレッサー・タービン、(N2) はパワー・タービンの回転数です。左側のオスプレイの表記とは関係ありません。ターボシャフト・エンジンの排気側タービンは分離されている2軸構成ですので一つのエンジンに二つの回転スピードがあります。(ターボファン・エンジンのN1、N2 の関係は後日出てきます)

オスプレイも同じですが N1 はわかりませんでした。出力回転数は、巡航(クルーズ)時にはホバーリング時の82%まで低めています。

言いかえれれば機速に合成されるローターの回転数も82%低下しており、ブレード先端の合成対気速度も低くなりますから、パワーレバー全開時より高速で飛行できることになります。プロップローター径の大きさからすると固定翼機モードでも同様と考えられます。

オスプレイらしいスペックは姿勢(Attitudes)の項目で、ヘリコ・モードで20°弱の機首上げ、固定翼機モードで90°の機首下げ、どちらのモードか判らないが左右のロールでは55°の傾斜での運転を保証するようです。

これらは、自動車では一部のエンジンで採用されているドライ・サンプ方式と呼ばれる潤滑オイルの回収と循環配分の構造に関係しています。ただし実機で加速度がかかった状態での試験によるものか、どれくらいの時間を耐えうるのかなどは、ここではわかりません。

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オスプレイのエンジンはアリソン・エンジン社で開発されました。その時の呼称はAE 1107C-リバティでした。

1995年には会社ごとロールス・ロイス社に買収されて公式名称も変更されていますが社内名称はAE 1107Cが使われているようです。

GM から始まるアリソンの社名は消えました。GM・アリソン時代のレシプロ・エンジンでは液冷V12気筒の V-1710 がロッキード P-38 などに採用されていました。

いっぽうのチヌークのエンジンはライカミング社のT55-L-7シリーズからはじまります。テキストロン・ライカミングを経てライカミング部門はアライドシグナル社に売却され、そのアライドシグナル社はハネウェルと合併したうえで、企業規模は小さいが軍民の市場に通りの良いハネウェルと名前を替えたのでハネウェル・エアロスペース社になりました。

現在のハネウェル社はコングロマリットで、軍民にまたがる多角企業となりエンジン部門はその一部門です。エンジン部門の歴史だけでも実際はシグナル・オイル時代のギャレット・タービン・エンジン社の買収も絡んでもっと複雑です。

アライド社は化学品や染料、シグナル社は石油会社で創業しました。その源流のなかにアメリカの中小の航空エンジン・メーカーの二社が組み込まれていった歴史であります。

ハネウェルは石油産業向けのプロセス制御機器やシステムで創業しました。タービンの開発そのものには直接の関係はなかったようですが行きがかりでエンジンにその名を冠することになりました。

あ ! ハネウェル製となったライカミングの空冷水平対向4気筒、6気筒の軽飛行機用エンジンでは昔の名前ででているのかなあ・・・ライバルのコンチネンタルはテレダイン・コンチネンタルになっているけど・・・中国政府系企業の傘下になっています。

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さて、簡単にまとめれば以上のように公表されたスペックは、比較するにもあてにならないと言うことになります。でも企業の変遷の歴史は面白い。

コングロマリットといえば日本では三菱といわれますが、企業のダイナミックさ、ではアメリカには及びませんね。

さて、チヌークの観察にはどの値を採用すべきか・・・それが問題だー!

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