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2015年12月の3件の記事

2015年12月29日 (火)

キネマ航空ラウンジの「俳句と飛行機」を大幅改稿

俳句には門外漢の当CEO は西東三鬼(1900-1962:明治33年-昭和37年)ほど飛行機を詠んだ俳人はないのではないか、と愚考しております。

当CEO の趣味の一つに古書店回りがあります。その中で最近見つけた『「俳句」4月臨時増刊 西東三鬼読本 角川書店 1979 』を底本にして飛行機に関連する句のすべてと思われる 65 句を抜き書きして当キネマ航空ラウンジの広報誌掲載中の「俳句と飛行機」の 初稿を大幅に改稿 いたしましたのでご報告いたします。
(なお引用等で著作権等での越権がありましたらご連絡ください。当キネマ航空の内規に従い対処させていただきます)

句は昭和九年(1934)から同三十六年(1961)にわたる日本の航空界の変遷と一俳人とのかかわりのなかで詠まれています。飛行機は形を変えながら(アイロニーを道ずれに)進歩を続け、一人の人間はかかわりかたを変えながらやがて乗ることもなくなり、消えてゆきます。

ぜひ、ご一読、ご再読ください。

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さて、本稿をもって 2015 年最後のプレス・リリースとなります。オスプレイも MRJ も休眠状態ですが来年より再開をする予定です。

キネマ航空CEOオフィスへご来訪いただき、ありがとうございました。
当キネマ・エアラインズ ご愛顧の皆さま、ご家族様、良いお年をお迎えください。

キネマ航空CEO 拝

2015年12月24日 (木)

キネマ航空 CEO ジェット・エンジンの復習を続ける

(承前)

ジェット・エンジンを構成するブロックは圧縮機(コンプレッサー)、燃焼室(コンバッション・チャンバー)、それに適切な日本語がないタービンの三つである。それぞれのメカニズムのキーワードは次のようになる

1.二つの圧縮機
  遠心式:円盤に羽根の列があり、空気の流れが中央から入り半径方向に向かう。
       ジェット・エンジンの創成期に採用された。最近ではダイソン© の掃除機のカタログで外から見える。直径は次の軸流式に比べると大きくなるが全長は短くなる。性能は安定しており小型のターボ・ジェット・エンジンターボ・プロップ・エンジンでは現役である。一方では多段化はむつかしい。
  軸流式:軸に羽根があり空気の流れが軸方向に流れる。
       軸と一緒に回転する羽根列(ベーン:動翼)と圧縮機を包む外筒に固定された羽根列(ステーター:静翼)が一組になり圧縮時に捻じれた空気を次の回転する羽根に効率の良い角度で流れ込むようにこの組み合わせを幾つか並べて圧縮率を高めることができる。一般に動翼列の数を「」として数える(二段圧縮機、多段圧縮機など)

ジェット・エンジンの直径と性能を決める吸気口の直径と比較すると、遠心式>軸流式>吸気口直径、となる。とは言え、遠心式でも星形エンジンというより人間が乗る単座機の胴体より細い。全長を縮めるために軸流式の後ろに遠心式の圧縮機を組み合わせる例もある。

2.三つの燃焼室
  カン型:シャケ缶のカンである。キャン・タイプのほうが正しい。
      創成期の英国系のエンジンの写真で見られるエンジンの周囲に圧縮機からタービンへパイプでつながった円筒状のたくさんの筒である。それぞれに燃料噴射ノズルや始動点火プラグがついている。
      それぞれ独立しているので構造上の強度は大きく、整備もやりやすい長所と始動時の不具合、燃焼の不揃いなどの欠点がある。なお実際の設計では隣り合ったカンは連結パイプでつながれており完全に独立して燃焼しているのではない。
  アニュラー型:圧縮機の後ろ、タービンの前にほぼ同じ外径で配置できる回転軸を中心にしたドーナッツもしくはバームクーヘン状の中空円環形状の燃焼室。
      円環状の筒の中の空間に燃料噴射ノズルや始動点火プラグがある。空気は前後の蓋と底に相当する部分にたくさん(フルイのように)設けてある穴を通過する。
       燃焼室は一つとなり長所、欠点はカン型の逆となる。特徴は前後長を短くできるので圧力損失を低減できる。      
  カニュラー型:アニュラーの中にカンを入れた複合型。キャニュラー・タイプ
       長所、欠点は両者の中間となる。
  (リバース・フロー型
      通常、燃焼室は圧縮機とタービンの中間に置かれるが、エンジン全体の前後長を短くするため空気の流れを折りたたんでタービンを包む環状に置かれる設計に採用されることもある。主にターボ・プロップ・エンジンとして使われる例が多い。なお、燃焼室自体は上記の三タイプが使われる。

3.二つのタービン
  幅流式:形は遠心式圧縮機に似ているが空気は外周側から軸に向かって(遠心力に逆らって)流れる。そのため羽根の形状は異なる。
      幅は【ふく/や】と読み、車輪の輪【わ】(リム)から轂【こしき】(ハブ)に向かう幅(スポーク)の意味があるようだ。
       日本語では方向性の意味を含んでいる技術用語とするため、何らかの理由で「遠心」の対義語である「求心」は使えなかったためであろう。英語ではラジアル(放射状)と形状を表す用語が使われてラジアル・コンプレッサーとかラジアル・タービンとなる。
      幅流式タービンはドイツのジェット・エンジン開発者であるハンス・フォン・オハインの最初の試作品で使われた。
(余談ながら、自動車のエンジンで使われるターボ過給機は遠心式タービンで遠心式圧縮機を回している。空気の流れはジェット・エンジンと変わらない。どちらも熱サイクル機関で、高圧圧縮機と燃焼室はシリンダーとピストンであり、ピストンの上下動を軸に伝て回転力に変えているところが違う)       
  軸流式:構造は軸流式圧縮機と同じでベーンとステーターからなり、高温で膨張した空気を回転力に変えて軸でつながる圧縮機を駆動する。タービンの列の数を段と呼び、通常は 1 段のタービンで複数段の圧縮機を駆動できるが・・・

4.圧縮機とタービンをつなぐ「」(シャフト)と「動翼列」(ベーン):
 現行のジェット・エンジンは上記の機構の組合せで構造が決まるので、都合12通りの案をベースにして圧縮機とタービンの構成を勘案して設計することになる。      
      タービンと圧縮機の動翼列は同じに固定されているがその相方の外殻に取り付けられる静翼列(ステーター)には角度を変えられる可動式もあり運転中の流速に合わせて角度を調整して性能の向上を図る方法もある。
      圧縮効率を上げるために圧縮機のを二分割(前方から低圧圧縮段と高圧圧縮段の順に)して駆動するためにタービンの段を二分割しそれぞれを(前方を高圧圧縮段、後方を低圧圧縮段に)連結するために同心多軸にする(例えば高圧段をつなぐ軸を中空にし、低圧段の軸を通す)場合もある。現在のターボ・ジェットでは 2 軸が使われる。ターボ・ファン・ジェットでは 3 軸も使われる。

      同心多軸はターボ・シャフト・エンジンターボ・ファン・ジェットなど回転力を圧縮機以外で利用する形式でも使われる。

 排気圧力がほとんどない、ターボシャフト・エンジンターボプロップ・エンジンでは中空軸とせずに圧縮機燃焼室圧縮機用タービンの後ろで軸を分割してそのまま取り出す出力用タービン軸とすることもある。(圧縮機と同軸で駆動されていないのでフリー・タービン式ともいう)

      ターボプロップ・エンジンの場合、吸気口は前方にあっても吸気ダクトを折りたたんで後方より前方に向かって圧縮機から順に並べることもできる。もちろん排気口も 90 度折り曲げることになる。

      特異な例ではハリヤーに使われた前後にそれぞれ二つの連動する角度可変排気口を持つロールスロイス・ペガサス(ファンの冷気は前方、ジェットの熱気は後方のノズルから噴出される)では、ホバリングを含む低速時に影響の出る圧縮機に生じるトルク反力を打ち消すため前方のファンを駆動するタービン軸を独立させて圧縮機とは逆回転させている。

      また低圧と高圧の順に配列される圧縮機の場合に各々の回転方向を逆にする例もある。

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以上の構造で達成できるジェット・エンジンの熱サイクルはブレイトン・サイクルと呼ばれます。

さらに身近な熱サイクル機関であるピストンとシリンダーで(燃料)混合気を圧縮し火花点火で燃焼させるガソリン・エンジンはオットー・サイクル、断熱圧縮による高温で自己着火させて燃焼するディーゼル・エンジンはディーゼル・サイクルと人名がついている。

しかし、いずれも理論を解析した人物ではなく実際に作動するメカニズムを作った人たちですね。工学が理論より優先されていた古き良き時代の名残でもあります。

ブレイトンの作った機械はピストンとシリンダー(とバルブ)を使った圧縮機と膨張機の間に蓄圧機を置き、蓄圧機から圧縮された空気が膨張機に入る直前に燃料の噴射と点火を行い膨張機のピストンの直線運動をクランクで回転運動に変える構造でした。もちろん膨張機による回転で圧縮機を駆動していました。熱サイクルとしては後年のジェット・エンジンと等価の理論が成立します。(閑話休題)

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さて、上記に太字で示したキーワードに加えて各部の構造には金属のみならず合成樹脂、セラミックさらには潤滑油や燃料といった材質が大きくかかわることは言うまでもない。

また、ジェット・エンジンが性能を発揮する上での空気機械として必須である(絶対)温度に比例し体積に反比例する圧力を滑らかに加圧、減圧(動圧から静圧へ、またはその逆の)変換をする流路構造などを述べなかった。

ジェット・エンジンが機械として機能できる本質は、(化学反応としての)燃焼、材料、潤滑、冷却、(共振)振動に対する知見を統合した細部構造であるが、これも多くは述べなかった。

ジェットには(高速で顕著になる)空気自体の慣性を利用したラムジェットやスクラムジェットがあるがこれはまた別の話。

2015年12月 5日 (土)

キネマ航空 CEO ジェット・エンジンを復習をする

下方の筆足らずの説明部分を赤字で加筆訂正を致しました。混乱させてしまった方にはお詫びいたします。申し訳ありませんでした。心より陳謝いたします。キネマ航空CEO 2016/2/19
再度訂正いたします。詳細は本文に書き込みました。ご迷惑をおかけしており、申し訳ありません。キネマ航空CEO 2016/3/23
訂正内容のリンク先を本文に書き込みました。こちらでご確認をお願いいたします。ご迷惑をおかけして、申し訳ありませんでした。キネマ航空CEO 2016/5/22

キネマ航空CEO MRJ のエンジンを考える」の前に「ジェット・エンジンの歴史を振り返ってみる」 の巻です。

 ジェット(噴流)エンジンにおいても、「キネマ航空CEO プロペラの勉強をする」で学んだように「ニュートンの第二法則」が適用される。

 異なるところの一つは「ベルヌーイの定理」がそのまま適用できない。なぜなら空気の流量質量のほかにジェット燃料の流量質量も加わるため「連続する流れ」の定義に外れてしまうからです。二つ目は流れに温度が加わるからです。

 したがい、「プロペラ・・・」で考えた圧力を扱う部分は独立して扱わなければならなくなるのですっきりとした式にはならない。このため「プロペラ・・・」では暗黙知としていた「ニュートンの第三法則(作用は反作用に等しく向きは反対である)」を頭の隅に入れておくことで進めてゆきます。

 まず、ジェット・エンジンの空気の流れにはレシプロ・エンジンではシリンダーの中で起こっていたプロペラとは直接関係のなかった燃焼という化学反応による熱力学が加わる原理・・・(レシプロ・エンジンが捨てていた熱エネルギーを直接利用するのだから性能が良くなることは間違いないが、それにも上限と下限がある・・・) その勉強から始めます。

1.ターボ・ジェットエンジン
 先頭にコンプレッサー(圧縮機)、続いて燃焼室(コンバッション・チャンバーだけど長すぎる)、燃焼室から噴出してくる高温・高速の燃焼ガスの一部を圧縮機を駆動する回転力に換えるタービン(適切な日本語がない。風車、水車と同じく噴流車かな?)の三つの要素からなる内燃機関であります。

 結果的には余った排気圧力による「ニュートンの第二法則」が成立するのですが、「ボイル=シャルルの法則注) から始まる熱力学で計算される空気の膨張による圧力が主役になります。

注) 正確には燃焼する前に、圧縮による発熱すなわち断熱圧縮が行われるためポワソン・シャルルの法則です。 こちら を参照ください。ボイル=シャルルの法則ポワソン・シャルルの法則の二つの式で気体の状態を表せます。

 つまり、タービンを通過した燃焼ガスが排気口から噴出されるときの、

吸入空気の質量」と燃料の質量」からなる「それぞれの単位時間当たり噴気(排気)質量×それぞれの速度変化量」 に 「(噴気(排気)口の出口圧力-大気圧)」×噴気(排気)口面積」加えた結果が 「(推) 」となる。

後者は出口でだから圧縮機を回す力「温度の関数である圧力や速度の変化」はすでに差し引かれている。また前者の燃料質量の速度変化量の計算時の初速は(とりあえず)0 m/sであり、吸入空気の初速は(こちらも、とりあえず)飛行速度 v m/s であります。

厳密には燃料噴射ポンプが与える初速の分力や圧縮機が吸い込む速度の増分もありますがとりあえず考えないことにします。

という二つの「」・・・の反作用ニュートンの第三法則から推力が計算できる。

ジェット燃料を容積ではなく重さで計量する理由の一つ。現実には液体燃料は温度で体積が変わるが重さ(熱量)は体積が変わっても変わらないという燃料の商取引のベースとなる定義でもある(閑話休題)

 さて、上の式を当CEOのような素人が定量的に解くのはむつかしいが定性的には考えられる。ジェット・エンジンの性能(推力)を上げるには、

A.吸入空気量を増やす
  a.1 吸入口の面積を増やす(図面寸法を一定比率で拡大する)
  a.2 コンプレッサーの回転数を大きくする
  a.3 高速で進む(飛行する)
 これらには、それぞれの限界がある。
  a.1 吸入口の直径を2倍にするとその面積は 4 倍、エンジンの重さは 8 倍になる「二乗三乗の法則」にとらわれる
(もちろん多少の工夫は可能だろうが機体に対する性能は 4 倍にはならない。機体に対する最適設計がある)
  a.2 コンプレッサー外周速度が音速に近づき羽根の形状を変えても限界があり性能は比例しない。 a.1 では原型と同じ回転数でも同様の結果となる。
  a.3 見方を変えれば必ず通過する低速飛行状態では物体を動かす『力』の使い方である効率としての性能が悪い。
2016/5/22 の 「キネマ航空CEO 航空エンジンのお仕事の効率を考える(ターボ・ジェットの巻)」にて最終訂正といたします。ご参照ください。
     大量の燃料を燃やしてやれば力は大きくなり最大速度も速くなる・・・けど燃焼させるには吸入空気量も必要となり a.1 へ戻ることになる。

ジェット・エンジンの本質は ボイル=シャルルの法則 上記注)の部分にある。吸入口面積に比例する吸入空気量を一定として考えると、

B.排気圧を大きくする/B'.排気口の面積を大きくする
  b.1 排気温度を高温にする
  b.2 排気口の面積を小さくする
  b'.2 圧力に乗ずる排気口の面積を大きくする
とはいっても
  b.1 (圧縮機の段数やラム圧を利用する吸入口の工夫は考えられているが)
            圧力も温度も圧縮と燃焼という前段階で決まる。
      燃焼室やタービン、排気系統に使われる材質の耐久性に限界がある。
      ジェット燃料の発生熱量にも限界がある。
  b.2、b'.2 飛行速度とコンプレッサーの回転数(吸入空気量)に合わせて排気口の面積を制御すればベルヌーイの法則で出口圧力は選べるが発生しているエネルギーそのものは一定なので超音速と亜音速で空気の性質が変わる飛行をする航空機でなければ高価な耐熱材料を使った装置の重さ( = 価格)で割に合わない。

C.燃料を注ぎ込む・・・
    飛行速度と吸入口の面積の積に比例する吸入空気量に対する空燃比の概念の復習です。
    炭素(C)と水素(H)がつながった分子である燃料分だけ排気の質量が増えることは間違いないし、完全に燃焼すれば高温にもなる・・・が
お金と世論(言い換えれば経済性と環境汚染)が立ちはだかる。
  c.1 燃焼室の(酸素を含む)空気と燃料の重量割合(空燃比)で燃料が濃く(リッチに)なると燃えない燃料で燃料消費効率が悪くなる。
      高熱で分解された炭素(C)は粒子状浮遊物質(SPM)、煤になる(古い実写の航空映画を見ればわかる)。余った水素(H)はいずれ酸素と結びついて水になる(H2O)ばかりではなく酸(例えば雷を触媒にして炭酸 H2CO3 など酸性雨の素)にもなる。(雷なぞはプラズマや活性化酸素を生成して触媒の働きもする)
  c.2 空燃比が薄く(リーンに)なると残された酸素(O)が高温により燃えない窒素(N)と化合して窒素酸化物 (NOx)となる。
  c.3 理想空燃比(大体15:1ぐらい)で完全燃焼すれば二酸化炭素(CO2 )と水(H2O)だけになるかといえば、あくまで仮定された理論であり現実の燃料やエンジンのメカニズムとして見れば程度の問題ではあるが、一酸化炭素(CO)もNOx もSPMも皆無にはならない。
     そのCO2 にしても植物の炭酸同化作用や海水の吸収余裕とのバランスで人間から酸素を奪ってゆくこともあり得るし酸性雨にも地球のお布団にもなる。いずれ小氷河期が来ればドンドン燃やせばいいのだろうが間氷期の今は温暖化の元凶でもある。
     また化石燃料には硫黄(S)などの不純物質も含まれ、ほかに潤滑、抗酸化、防錆・防蝕、氷結防止などの機能添加物も含まれており高温により分解、合成される多くの化学物資が大気中に拡散すると有害物質にもなる。

 いずれにせよジェット・エンジンで航空機エンジンのイノベーションはできた。レシプロ・エンジンより圧倒的に軽量で小さい。小さな体でも、出力は高速になるほど出てくる。もっと(もっと)早く飛べる。もちろん、機体に合った吸入口面積(直径)を採用したエンジンを使って効率よく燃料を燃やすことで、である。

 と言うことで、音速を超える高速への挑戦で「音の壁」などないことがわかり、競争が一段落すると、レシプロ・エンジン機よりちょっと高速で、音速よりちょっと低い速度で効率よく飛べればいいじゃないかの競争に移る。

エンジン自体が過給機(=圧縮機)だから空気は薄いが気流の安定した高空を飛べ、機内に分流して航空減圧症(高山病)になる前に人間の呼吸(体脂肪や糖質の燃焼)にも使えるしね。

そこで

2.ターボプロップ・エンジン
 推進力を排気口圧力で、ではなく、コンプレッサーを回すタービンの動力を差し引いて残った圧力を回転力に換えて、燃焼には関係ない冷たい(質量の大きい)空気を後方に送るにはジェット・エンジンの吸気口の面積よりはるかに大きいプロペラを回して・・・と、考えだされた。(正確には、ターボジェットが完成する前にジェットでプロペラを回す構想はあった)

 したがいタービン部の構造は排気エネルギーを回転エネルギーに変えて取り出すためにタービンの段数は多い。その過程で排気の温度が下がり排気の圧力は大気圧に近くなり排気の流速も低下する。

 初期のターボ・プロップ・エンジンはコンプレッサーとそれを回すタービンの軸は一体であったが、その回転数では直径の大きいプロペラでは先端が簡単に音速に達してしまう。・・・で、その間に減速歯車(ギヤ・ボックス)を入れて適当な(テキトーにではない)回転数にまで減速することになる。

 そのうち、それじゃあ、とコンプレッサーを回して排気エネルギーが減ったところで、プロペラを回す出力タービンを回せば(つまり圧縮機駆動軸と出力軸を分離すれば)回転数も低くなるとして考え出されたのがターボ・シャフト・エンジンとなる。それでもギヤ・ボックスは必要であるが主にヘリコプターで使われ始めた。

 現在では(ここでは単に使い方での分類である)ターボ・プロップ・エンジンにも採用されている。

 ターボ・プロップ・エンジンの利点の一つにはプロペラのピッチを制御する技術が確立しており特に低速ではターボ・ジェットより効率よく出力を利用できる。

 ターボ・プロップ機が達成したのは同じクラスのレシプロ・エンジン機の最高速の平均値あたりが巡航速度として使えるようになったことである。

 で、音速を超えなくてもいいからレシプロ機やターボプロップ機よりもう少し速く飛びたいという目標で作られたのがターボ=ファン・ジェット・エンジンであります。

航空機のジェット・エンジンは最高速か、巡航速度か、と目指す機体の速度をパラメーターにして、「ニュートンの第二法則」 と 「ボイル=シャルル + ポワソン=シャルルの法則」 のどちらに推進力を得る重点を置くかで構造自体が進化もしくは分化していくことになります。(閑話じゃないですよ)

 次回はターボ=ファン・ジェットのこころだー。主題の MRJギヤード・ターボ=ファン・ジェットの心、はその次になります。

本題のギヤード・ターボ=ファン・ジェットに入る前に勉強することが多いなー。

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