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2020年11月15日 (日)

ミッドウェーの「運命の5分間」の後先き・・・スマート、ステディ & サイレント・ネイビィ (第二の疑問の)地磁気について考える、ついでに天変地異についても考える の巻

例によりまたまた公開校正・校閲中です。
羅針儀を使いこなすために三つある極点の定義と名称を
くどくどと説明、記述しましたが、抜け落ちや誤記があるかもしれません。
ご意見・ご叱責をお待ちしています。
2020.11.15 キネマ航空CEO

第二の疑問で感じたモヤモヤを考えるためには、まず目標物のない洋上を飛ぶために羅針儀を使った推測航法の概要程度の物理的、数学的知識の復習をしておきたい。

方位を示す磁石は英語では(Magnetic) Compassコンパス)だが、日本語では羅針儀は航空機用が主だが、船舶だと羅針盤、ハイキングや登山だと(磁気)コンパスと呼ばれていて、大きさによる呼び分けかも知れないが、いずれも基本原理は同じで地球の地磁気の極方位、方向を知る機器もしくは道具であります。

しかし、この地磁気極が大変な曲者で・・・

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Magnetic-field-declination-map-1942

 まずタイトルに1942年とあるように(隔)年毎に改版される磁偏差を等磁線の形式で著した地図かこれに準じた数値表が必要となる。

 等磁線は地図上の経線で示す北を真北とするため羅針儀のN極が指す北の地磁気の極との偏差を表している。

 現在位置で羅針盤の示す磁北が地図上の真北(経線)に対し右手(東)にある場合は正(+)、左手(西)にあれば負(-)を付けた角度(°)としてその位置の偏差を示している。

日本付近は偏差0°の等偏差線に囲まれ、北に破線で示す-10度の等偏差線の島がある特異な位置にある。

この地図が示しているのは、日本付近では羅針盤の示す北より左手(西)に北極があり、ハワイ列島の西に位置するミッドウェー付近では羅針盤の指示より右手(東)に北極がある。

したがい、航空機や船舶の運航にはこの磁偏差を示した地図(または数値表)と出発した地図上の位置情報は必須であります。 

いずれにせよ等磁線が集中しているところが地磁気極であり、羅針儀の指す北極と南極であり、この偏差地図を使って真の両極を計算して真方位がわかり目標の無い海洋上でも飛行も航行もできる。

補注)この偏差地図は球面幾何学を平面幾何学で表して(つまり球を無理やり円筒に展開して)おり、上下を省略されたこの地図上では真の両極点は少し上下に直線として存在する。 したがい、この形式の地図上では経線上と緯線上を移動する場合を除いて、その地図上で斜めに二点間を直線移動すると図示された地形の上を通過できない。
つまり、この地図では大圏コース(最短コース)をとれない
 緯度が大きくなるほど経線間の距離は短くなり北(南)緯90°で間隔は0、すなわち北(南)極点になるはずだが経線は常に平行の直線になる。
 すなわち、球面を平面で表す地図と羅針儀を使った移動では経緯線とは関係なく極めて狭い範囲でのみ(普通の)ヒトの感覚と一致する。
 ミッドウェー作戦と並行して行われたアリューシャン作戦では等磁線が等磁線図で見るよりずっと密になっている。 したがい、艦隊は天測航法で目標に極めて接近し、航空機には電波による航法が用いられたと思われる。 こちらの攻撃は奇襲でなければ成立しないため囮作戦とも言い難いようだ。(閑話休題)

さて、利根四号機に与えられた索敵線の100度は真北に対する角度であり操縦士は羅針儀の磁針から磁偏差を使って割り出した針路を維持しなければならない。

1942年のミッドウェイの磁偏差は南北にある10度の偏差間にあるが当時の大日本帝国海軍は 9.5°を使っていたようだ。 ちなみに日本列島周辺では -6°だった。(#9)

これだけの偏差情報をつぎ込んだ地図を日本が作れたのか? 中立国で入手して大使館から外交後嚢に入れて送っていたのか?

ところが、いくら詳しい磁偏差の情報を持っていても、羅針盤をいくら精巧に作っても周囲の磁気を持つ機体や装備品がつくる磁場の影響は避けられない。

鋼鉄は磁性を帯び(帯磁し)ており脱磁が随時必要だし、軟鉄はエンジンを回したり無線機をオンにすることでも電流による磁場の作用や電磁波の中では磁性を帯びるため磁針に影響して機体や装備品、搭載物などで個々の機体に生じる運用上の誤差修正を加えなければならない。 ・・・これは後程、「自差」として出てきます。

その前に・・・

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まず、磁極はどのくらい移動しているのか・・・閑話開題です。Moving-earth-poles

Geomagnetic pole は地磁気極。地球を棒磁石に見立てた極、地磁気座標の軸の極。
(Magnetic) Dip pole は磁極。南北を結ぶ磁力線が鉛直に地球に刺さっている極。

羅針儀に必要な地磁気軸極 (Geomagnetic pole) は動いてはいるが幸いなことにそれほど大きくはなく、南北どちらも各々の地軸の極点に近づいている。

いっぽう、北磁極(Dip pole) は2000年前後から急速に北極点に近づき、南磁極は北磁極ほどではないが南極点から遠ざかっている。

ちなみに、南も北もある緯度以上になると羅針儀を使用する地域の磁力線の傾斜角度に合わせて磁針も傾くため、例えば北半球では極側を重くした磁針で水平をとるようです。(閑話休題)

いずれにせよ磁力線の変化は地中の鉄を主成分とするマントル対流のベクトル変化に対応しており、マントルに浮いたプレートはお互いに軋み、マントルとプレートの間では摩擦と粘着の引っ張り合いで始まる。

言わずもがなだが、Geomagnetic pole は動かなくても Dip pole の移動は当然磁偏差の地図に影響する

近年の海洋動物の異常行動や異常気象、地震の多発は磁極の急速な移動の為と言えそうだがどんなもんだか。

もちろん温暖化が先で海水温が上昇し比重が軽くなりプレートに対する重しが減ったためにマントル対流が大きく変化した。最大比重となる(純水では)水温摂氏4度の海水層が減少したためである、ともいえる

なお、この両極の地図はどちらも空から見た図なのでぴったり合わせても無意味です。南極側を上下反転し、経度の数字を合わせるように回転すれば北極星から南極を透視した図になります。(閑話休題)

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さて、 今でこそ方位測定はGPSが主役を務めますが電源が落ちれば何の役にも立ちません。

したがい、多少の問題があっても磁気羅針儀や羅針盤は予備の計器として航空機にも船舶にももちろん艦艇にも装備されています。

そこで羅針盤の読み方を勉強して自らが進む針路を決めてみるのも邪魔にはならないだろう。

Magnetic-compass-rev2 写真の羅針儀はスーパーマリン・スピットフィアで採用していた Type P. 8. M のダイヤル部で、操縦桿の前、ペダルの間、の床面に置かれています。
 ただし、今回は図柄を偏差の説明に使うだけです 本物は下記のリンクを参照してください。

 本物(YouTube) は、方位に対して自己修正する機能のないジャイロ・コンパスで、内側にある線で描かれた十字線が本来の(自差を修正後の)磁北を指し、T字の脚に挟まれた( N )の回転ベゼルを手動で高速回転するジャイロの軸を磁北に合わせます。 
 パイロットやナビゲーターはジャイロ・コンパスの値を偏差で修正して連動する個別の計器盤上にある方位計で真針路19°
と読み取ることができる。
 ジャイロ・コンパスの利点は複数の同期した方位計が使えることですが、当時の技術ではジャイロ軸の方向が安定するまでには時間がかかったようです。
 ちなみに、
図の状態を磁気羅針儀とすると自差の修正がされていない羅針儀針路29°を示している。

羅針儀は、ヒトが己の視界範囲を超えた自然である球面に向かい、その球面を平面に直した地図を使って対峙するための道具であります。

まず、羅針儀には三つの」があります。

地球の自転軸(地軸)で決められた「真北」と磁石で決められた「磁北」の二つの」は、ヒトの力を超えた自然の現象ですが、その関係はヒトが英知を尽くして磁偏差地図が作成されている。

もう一つの」は、これもヒトの英知の結晶である羅針儀が示す「羅針儀の北」でありますが、ヒトの作るものがいつも正しく「磁北」を指し示すとは限りません。

残念ながら先に説明したように、羅針儀を配置する位置により機体の構造や装備品、搭載する荷物の鉄や鋼など磁性のある金属、さらには配線や無線機に流れる電流による磁場の影響などで「磁北」と「羅針儀の北」が一致することはまずない。

そして、ヒトにとっては地軸を伸ばした先にある不動の(実際はごく小さな日周運動がある)北極星を基準として地図をつくる利便性もしくは直感性からの方位や針路角は「真北」からの時計回りの角度を採用している。

じゃあ、南半球はどうしてくれるんだ!・・・って?!
 さぁ、そんなこと急に聞かれても・・・。

とりあえず、機首の向いた方向を 針路Heading Course/H'g.C)として、・・・
三つの」から得られる三つの針路」と「方位」には次の名前がついている。

 ・真北 (True North/T.N.) 真針路 (True Course/T.Co.) // 真方位 (True Bearing/T.B'g)
 ・磁北 (Magnetic North/M.N.) 磁針路 (Magnetic Course/M.Co.) // 磁方位 (Magnetic Bearing/M.B'g)
 ・( N ) 羅針儀ノ北 (Compass North/C.N.) 羅針儀針路 (Compass Course/C.Co.) // 羅針儀方位 (Compass Bearing/C.B'g)

どちらも地球を基準にして、「針路/Course」は自分が、あるいは他者が、進む方向、「方位/Bearing」は自分から見る対象物の方向。

集団を含めて自分(達)の周囲を12等分して正面を12時、背正面を6時とした(時計回りの)時間方位も使われる。
航空機だと上下を加えて“Twelve O'clock High”「頭上の敵機(1949)」という映画もあった。この場合は、「真上」と言うことではなく「正面上方」と言った意味。(閑話休題)

そして、羅針儀に生じる誤差の関係は、Dev. = Var. + C.Er.
または、Var. = Dev. - C.Er.  (くれぐれも各角度が持っている以下に示す基線と正負(+/-)の関係は忘れないでね)

 ・偏差 (Deviation/Dev.) 磁北 (M.N.) から真北 (T.N.) への角度。右回りを正(+
 ・自差 (Variation/Var.) 磁北 (M.N.) から ( N )羅針儀ノ北 (C.N.) への角度。右回りを正(+
 ・違差 (Compass Error/C.Er.) 偏差 (Dev.)から自差 (Var.) を差し引いた角度。右回りを正(+

羅針儀の調整とは、何らかの方法で磁北羅針儀ノ北( N )を重ねることが違差をなくす(磁偏差のみにする)ことに相当します。

イメージでは夜間飛行で機首を真北 (T.N.)の北極星 に向けて真針路(T.Co.) を0°にしたときの(正負を含めた)磁針( N ) の角度すなわち羅針儀ノ北(C.N.) が違差 (C.Er.) となります。

したがい、飛行中の空域の既知の偏差Dev.)から、測定した違差 (C.Er.) を差し引いた(正負を含めた)角度がその機体と羅針儀の組合せによる固有の自差 (Var.) となる。

そのまま真針路(T.Co.) を0°に保持して羅針儀に備えている微弱な磁力の調整用の磁石を動かし、磁針の( N )羅針儀ノ北 (C.N.)を既知の磁北(M.N.)の値、すなわち、真北 (T.N.)からの角度となる 負の偏差(-Dev.)に合わせることで真針路(T.Co.) 0° が真北 (T.N.) 0° を指して自差 (Var.) の修正が完了します。

しかし、いくら調整しても空母の格納庫の中や鋼鉄の塊の艦船の傍を飛べば自差は出ますから発艦したらすぐに離れて大きく一周旋回して羅針盤を慣らす必要があります。

以上、分かり易い図にして解説しましたが、地図の基準となる真北に対する磁針( N )が示す羅針儀ノ北 と地図による偏差の方向の組み合わせは、両方が同じ側にあるのが6通り、両側に分かれるのが2通り、一方が真北に重なるのが4、二つとも重なる1通りを除いても12通りあり、夫々を時計回りを正(+)とする数値を計算した結果で方向を含めた自差 (Var.) を求めます。

自差修正の終わった羅針儀(Var. = 0)で偏差値に整合させて指定された真針路 (T.Co.) に乗せるには、例えば1942年のミッドウェー付近の偏差(Dev.)は ()9.5 または (E/East)9.5 (磁極は北極より右回りまたは東に偏っている)と表示されており、次の式で表される。
例えば、地図上で命令された索敵針路T.Co. = 100 とすると、 羅針儀による飛行方向H'g.C.  は、

  H'g.C. = T.Co. - Dev. = 100 - 9.5 = 90.5()

また、日本付近の偏差(Dev.)は  -6 または (W/Wast)6 (磁極は北極より左回りまたは西に偏っている)と表示されており、次の式で表される。

  H'g.C. = T.Co. - Dev. = 100 - (-6) 
                                       = 100 + 6 = 106()

方位で表せば、次のようになる。もちろん、偏差に正負が必要なことを忘れずに!

  (H'g.C. =)  M.B'g = T.B'g - Dev. 

南半球の場合も含めて、あとは自分でやってね。 もちろん磁偏差地図か数値表は必携です。 真南( S )で計算するのかなァ? 

地図上の磁偏差値は東偏を E または + で表し、西偏を示す W は - で表す。 日本海軍はEWを使っていたらしい、忘れないでね !

 なお、機首の向いた方向を 針路H'g.C)とすると、飛行機も船も浮いて居れば風や海流で流されるので 針路H'g.C)を羅針儀の真針路(T.Co.) に合わせても機体は合成された速度と角度で流されており指定された羅針儀の真針路(T.Co.) とは違う角度を進んでいる。

 この角度を偏角と呼び偏流測定で補正します。 この角度を見込んで指定されたの真針路(T.Co.) 上を飛ぶと 針路H'g.C)は風上側に向いています。 

しかし、機体は風上側に向いており真針路(T.Co.)の羅針儀方位 (C.B'g)と実際の機体の向き 針路(H'g.C)を示す羅針儀方位 (C.B'g)は違っています。

飛行士は偏流角に機体の修正角を見込んでいる羅針儀方位 (C.B'g)を操縦士に伝えているのかな・・・前回で参考にした映画の中にも出てきます。もちろん、航法計算盤を用いて機速と(風速を含む)偏流角を三角関数を駆使してベクトル合成した対地速度と機首方位を算出します。

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長くなったついでに・・・

昭和十六年(1941)に改訂された「航空機用計器ノ名称」の中から航法に関連する項目を抜き出しておく。(#11)

整備長主管
 航空羅針儀 一型改 大型
 航空羅針儀 三型改 中型
 零式航空羅針儀二型 横読式 二度目盛 小型
 九二式航空羅針儀二型 横読式 二度目盛 中型
 零式航空羅針儀二型 横読式 二度目盛 中型
 九四式磁気誘導羅針儀一型 針路調定器及同指示器ヲ一体トセルモノ
 九四式磁気誘導羅針儀一型改一 吸引圧真空調整弁ニテ一〇〇粍ニ適合セルモノ

飛行長主管
 偏流方位測定器 一型 偏流枠両側附
 偏流方位測定器二型改 偏流枠片側附夜間用
 航法計算盤 一型 一二〇節迄使用可能
 航法計算盤 二型 一八〇節迄使用可能
 航空図板 一型 小型
 航空図板 二型 中型
 三角定規
 コンパス
 尾部偏流測定器 一型
 自差修正羅針儀 三脚共
 機上自差測定器 一型 全円周型
 機上自差測定器 二型 半円周型
 
このリストでは前回の#10 に記載されていた航空羅針儀二型改は見当たらない。

計器類の責任分担は、整備長はハードウェア(機材)を担当、飛行長はソフトウェア(運用)の担当であり偏差や自差に関連する責任者でもあるようだ。

また、風の影響を修正する偏流測定も飛行長の所管であるようだ。
ここで上げた尾部偏流測定器が関連するかどうかは分らぬが飛行士の乗る機の水平尾翼や主翼の一部には下図のような5度刻みの目測線を付けていた。(#10 図は零式水偵)

50

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