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2021年5月の1件の記事

2021年5月21日 (金)

ミッドウェーの「運命の5分間」の後先き・・・タスクフォース索敵行 参の巻

まず、メルカトル海図で任意の方向の距離を測る方法です。作図過程を図面で示すべきですがここでは言葉のみで進めます。

なお後段で以前のメルカトル図法の記事の描き直しと追記をして再構成したことを付記します。

 作図課題
第一次AF攻撃隊ノ発艦位置ハAFカラノ方位三一五度距離二一〇浬トスル。発艦開始位置ノ座標ト磁偏差ヲ求メヨ。AFノ座標ハ北緯〇二八度一三分西経一七七度二二分(イースタン島ノ中央部)トスル。
AFは当時のミッドウェイ島の暗号名。なお座標はウィキペディアから。

 作図手順 1
一、AFの座標点から315度の方向へ直線を引く
ニ、AFの座標点から海図の右か左の端にある緯度指標線に向けて平行線を引く
三、その交点から緯度(縦軸)指標線に合わせて(求める解の方向である)北側に210海里すなわち210分(3度30分)の長さにデバイダーを合わせる
四、AFの座標点を中心にデバイダーで合わせた長さを半径とする円弧と (一、AFの座標点から・・・で作図した)315度方向の線との交点が求める位置となる
五、その交点を緯度(縦軸)指標線と経度(横軸)指標線から読み取った値が求める発艦位置である。

 補足 二点の座標が既知の場合の距離
デバイダーを二点間の寸法に合わせて緯度(縦軸)指標線上のどちらかの緯度点から他の緯度点の方向に宛てて分単位の値を読み取れば浬単位の距離となる。

ただし二点間の距離は低緯度から高緯度方向に測れば距離は短く、高緯度から低緯度に測れば長くなる。北半球では南から北(上)に向かえば短く北から南(下)に向かえば長くなる。

例外は地図の大円上例えば経線上を移動する場合は移動した緯度を、赤道上の移動では移動した経度をそのまま分単位に換算した値となる。

手数を掛ければ二点の位置を縦軸に投影しその長さをデバイダーで拾い二点間の直線上をたどり余った長さをデバイダーで縦軸の目標点から出発点の方向に当てる。その合計分数は求める海里により近くなる。

 作業手順 2
手順 1 で得た仮位置の範囲で補足の手順を実施する。ただし今回の検証ではどこまで使えるかは注意深く扱う必要がある。

 磁偏差の設定
ミッドウェー島は 等磁線地図 の地図では西端の西経178度の経線に近くハワイ島の真横より若干上のあたりにあり東偏10度の等磁線の近くとなる。いっぽう日本の航空艦隊は敵機動部隊の存在を知らぬまま地図の東端東経179度の経線を越えたあたりで日付変更線を挟んで対峙していた。日本側の磁気偏差は9度30分東が使われたようだ。なおリンクは参考であります。

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 メルカトル図法の基準となる座標と距離(閑話休題じゃなくてかなり長大)
生物とくに動物、なかでもヒトは太陽によって東西南北の方向と繰り返して終わりのない時間を抽象化して科学の祖となる天文学に智恵をめぐらせ始めた。

完全球体と仮定した地球の座標は天文学から求められる赤道円を基準にする。赤道円周は球体の最大直径である大円に等しい。赤道円周を360等分して大円の中心からの分割角度を基準単位の1度とし一周を360度とした。

大円は無数に存在するが赤道大円に直角に立てた一周する360本の線を経線《line of longitude》と呼ぶが、子午【しご】線《meridian》、日本語では十二支の北と南を結ぶ線、英語では(太陽が)最も高い位置にある方向と言った原義に近い言葉もある。

その子午線も大円となる。同様に子午線の円周を360等分すると赤道から北へ数えて180番目で赤道に戻る。赤道から1番目と179番目の等分点は赤道からの円弧長が等しくなる。

この等分点を通り赤道円と平行に輪切りにしてできる円を緯線《circles of latitude》と呼ぶ。同様に2番目と178番目・・・89番目と91番目と足して180になる点を通る89本の緯線の円ができ90番目は重なって180になるのだが円ではなく北極点《North pole》になる。南回りでも同様でこちらは南極点《South pole》となる。

緯線の別名には日本語では卯酉【ぼうゆう】線がある。十二支による「東西線」だが鉄道の路線名に聞こえるためか【東西圏】となっている。圏【けん】は英名の《circles》から。 緯線の英名には一語の《circles》や《parallels》があり【平行圏】と訳されている。

ただし卯酉線(東西圏)と平行圏の定義は異なり前者は重力に直交する子午線と直交している大円に相当する仮想の線だが後者は赤道上を除いて互いに直交していない。すなわち卯酉線は球体の最大直径である大円で構成されているが平行圏(経線)は赤道を除いて大円より小さい円であり終には点になる。

座標の基準となる緯度《latitude》の単位は0度とする赤道を境に北緯と南緯に分け90度とする科学的根拠に異議はないだろう。しかし本初子午線《prime meridian》と呼ばれる経線の基線となる0度の大円の位置は”科学的に”とはいかない。当時の科学力や国力、いわゆる覇権国家によって誘導される。

19世紀に設定された英国のグリニッジ天文台を通る通称グリニッジ子午線がそれである。これはこれで合理的な意味が全くないとも言い切れない。地球は自転して昼夜が生じ日付が変わっており何処で切り替えるかの問題もある。

本初子午線となる0度の経線《longitude》は北極を越えると180本目の経線となってユーラシア大陸の東端をとおり南に向かうのだが赤道を過ぎ南極に突き当たり0度に変わるまで人口の多い国あるいは大陸はない。

したがい180度の経線上に日付変更線を設けて適当に折り曲げてやれば世界で一番遅く日付が変わる地域や国を世界で一番早く変わる国や地域に変えることをが許容されている。

これでロンドンの本初子午線上に太陽が南中する正12時に日付変更線上では正0時となって東から西へ日付が一つ進むとしたのであります。ことのついでかどうだか、緯線を南北に分けたように経線も東西で分けて本初子午線から東回りを東経、西回りを西経としてどちら周りでも180番目の経線が180度となる。

因みに漢字の「経」は縦糸、「緯」は横糸。糸編が示すように織り布の糸の構成が語源。立体幾何学の概念の中に使われた平面的な布から「経+線」「緯+線」とした熟語は創作だったのか翻訳だったのか、英語では長さ、円、幅、平行といった科学的な概念の単語が用語となっており違いは興味深い・・・のは当CEOだけ・・・だろうな。

さて、大円をなぜ360等分して基準単位の「」を設定したのか? 回るという点では、分割分配のやり易い60進法を基本に1年を360日と「していた」のか「割り切っていた」のか1度の下部単位はその60分の1の「」そのまた60分の1の「」からなりその下は小数点の付く10進法が使われる。

基準単位の1度は3,600秒であり限られた面積の球体を839,808,000,000の座標点で表わすという、考案された当時としては計り知れない巨大な事象を人間のスケールに戻そうとする単位ともいえる。

その座標点間の距離については抽象的に緯度で1分を1海里(または浬)Notical Mile, nm, nM》とした基準が使われる。定義としては明快だが球体の大きさによって長さは変わる。

そこでイギリスと積年の経緯【けいい】があり十進法推進するフランスが登場して、地球の緯線の円周の四分の一である北極から赤道まで(90度=5,400)の距離を10,000kmと主張を始める。

その結果、1海里は1.851851851...kmと循環数となるが1929年に1nm1,852mとする国際海里が採用された。これは赤道から北極点に向かって北上すると800m行きすぎることになる。

海里に基づく一時間当たりの速さの単位を節【ノット】《knot, kt》とした。したがい 1kt=1,852m/h0.514/sとなる。ノットの語源は等間隔に結んだ節《knot》のあるロープの先端に抵抗版となる浮子をつけて船から流し規定の時間に繰り出された節を数えて求めたことが起源。

ミッドウェー海空戦の頃の海図の概要は以上であります。実際の地球は完全球体ではなく回転楕円体あるいは西洋梨型をしている。したがい定義自体も時代とともに変わり海里は国際単位系(SI)には馴染まない。極論をすれば海里も節も地球表面を長距離の移動する場合の仮単位であります。

現在の本初子午線はグリニッジ子午線《Prime Medirian at Greenwich》よりわずかに東にずれており位置も距離も時間も天文学というより物理学に準拠した測地系で1983年に地球の質量中心を原点としGPS測地系に対応できる国際基準子午線《International Reference Meridian 》を基準とする重力ベクトルや公転自転の速度や軸の揺らぎにマントルの移動などなどを加味して制定されている。

時代が進み電波を使った球面三角測量と言えるロラン航法の基地局も廃止され、とって代わったGPSシステムの衛星が破壊されたり情報に揺らぎを混ぜて発信したりの電子攪乱戦ではミッドウェー海空戦当時の六分儀とクロノメーターを使った天測航法が必要になる。

だだし大日本帝国海軍では少人数で運用する艦載機では六分儀、八分儀を使った天測航法を採用していなかった。もし実施できていたら利根四号機の問題はなかったと考える人もいる。現在の米軍はこうした不測の事態に対応する訓練を実施しているがJMSDFは大丈夫なのかな。

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 地球表面上の距離
SI単位系の場合
球面上の距離である弧長の元になる円周の距離はメートル法の源定義である北極から赤道までの距離の4倍で40,000km。これを円周率πで割れば直径となる。πは無理数なので例えば海里《nM》をSI単位へ換算した有効桁数から四桁としてπ≒3.142とすれば直径はD=40000/3.142より地球の直径は12,730km、半径は6,365kmとなる。余談ながら航空機の飛行高度を一万メートルとしても半径比の増分では0.157%にすぎない。

円周の一部である弧長と円周長の比は円弧のハサミ角(Θ)と全周角360度の比に比例するので円弧のハサミ角の単位をπに由来する単位に結び付けて、弧長=直径×π×(Θ/360)=半径×{2×π×(Θ/360)}で計算できる。

半径を長さの単位とした{ }内を約分した{π×(Θ/180)}は弧度《radian (rad)》【ラジアン】と呼ぶ無次元SI単位系の角度となる。度からラジアンに換算することで 弧長[m]=半径[m]×弧度[rad] となる。

海里単位の場合
地球大円の円周角は60分×360で円周長は21,600海里となる。直径に換算する有効桁数を同じとしてπ≒3.142より直径は6,875海里となる。半径は3,438海里とすると大円の円周は有効桁数では21,600海里に戻る。

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 メルカトル図法の限界
参照 ミッドウェーの「運命の5分間」の後先き・・・数学的背景編 1 海図と座標の巻
こちらはあくまで当CEOの簡易定義です。正規の定義は参考文献に掲げてあります。
メルカトル図法はヒトの本能的な行動本能である方向と距離の感覚に合わせるように考案された等角図法です。
Photo_20210518001501

さて緯度角1分を1海里とする定義によって緯度角1度で60海里、111.1kmとなる。一方の経度では赤道大円においてのみ同じ値となり次第に狭まり極点では0海里の点になるが罫線も緯線も見えない地表に立つ人間の方向感覚では太陽を除けば赤道上と変わらない。

メルカトル図の簡易的な説明は赤道上の経点に経線を直角に立てることで球では交わる経線を平面上で交わらない平行線に変えます。球体では極になるほど短くなる間隔を赤道上の幅に合わせて拡げて平行にしています。

その拡大比に合わせて球の大円上で全周一定であった緯線間の間隔を広げることで方向は球面上と同じになるが緯線方向の地図上の長さは一定ではなくなります。

これが冒頭のメルカトル海図での距離の測り方になります。

言うまでもなくメルカトル図の緯線の長さの拡大比は度ばかりではなく分秒それ以下の値にも適用されます。

簡易的な拡大比 k は緯度をθ度 とすると k = 1/cosθ となります。両極では θ=90(度) なので k = 1/0 = ∞ となり直線となる極点の緯線作図はできません。メルカトル図法で作図する世界全図では南、北緯85度位までとなっています。

右の表の左側は各緯度ごとに赤道上の経緯角1度の長さに拡大した経度の長さ対して緯度角1度の長さを拡大した格子(長方形)の縦横比(アスペクト比)を表しています。また右端はこの章の冒頭に記したリンクにある表の右端に赤道から昇順に隣り合った緯度角1度ごとに拡大していくアスペクト比の比率を追加しています。

中低緯度で隣り合った1度間のアスペクト比は数%であり地図で得られる方位と距離はヒトの感覚に合った図法といえる。これがどこまで実用上の拡張できるかであります。

 メルカトル図 英文Marine Regions.orgへリンク
緯度線と経度線の表示間隔はいずれも10度。緯度の表示限界は85度。世界全図の基点は図面中央の本初子午線と赤道の交点となる。

メルカトル図法による地球図は一般的には赤道に接する円筒に投影する方法であり経緯線が直行する。同時に方位は正しく近似されるが距離は拡大していく縦軸上の不等縮尺に合わせて計測する。

メルカトル図法を駆使する上で天文測量、電波測量による測地誤差を含め作図上最も変形の累積誤差の少ないのは赤道と本初子午線とその二軸の交点であります。

いっぽうでは緯度とともに間隔が拡大していく経線の南北は(磁偏差を修正した)羅針盤方位に整合するが東西の方位はメルカトル図の東西である緯度円(平行圏)ではなく卯酉線(東西圏)と呼ばれる大円の方向を指している。

つまり南北の経線上以外の方向に羅針儀の指示通りに移動すると高緯度になるほど実際の位置は距離とともに低緯度方向に外(そ)れていく。

メルカトル図では無限遠となり表記できない実際の北(南)極点上では「どっちを向いても南(北)ばかり」となる。

メルカトル海図でも基本的には推測航法と天測で変針を繰り返すしかない。いっぽう艦船も航空機に対する風と同じで海流に流されるので定時天測による進路修正は避けられなかった。

ここでは許容できる変針頻度で運行できる限界緯度や推測航法による進路の修正実務については言及していない。

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